女王陛下のお気に入りのレビュー・感想・評価
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うーん、切ない
冒頭の乗合馬車のいかがわしい雰囲気、女中のイジメ、女王様の痛風の原始的な治療、貴族の退廃的な遊び・・・ヨーロッパのドロドロした雰囲気全開で、グロ苦手な私は最後まで見られるか少し不安でしたが、結局お話の面白さにあっという間の2時間でした。
3人の女性の中で一番生身の人間臭く感情移入できたのはアン女王。女王と雖も17人もの子を失い今は持病に悩まされて自由に歩くことも好きなものを食べることもできない悲哀さに、何度も胸が締め付けられました。これなら多少の我儘は許してあげてーって気持ちで見てました。
サラとアビゲイルどっちって言われると、私は当然クールビューティのサラ派なんですが・・・一番印象に残ったのはサラの最後のセリフ。やっぱりこの人は聡明な女性だったわ。結局女の幸せを掴んだのもこの人なんだなあと感じつつ、幕。
寵愛を得る者
女性版大奥と聞いて観賞しました。
シスターフッドの関係を描いた作品は結構ありますが女性版のホモソーシャルものは中々珍しいと感じました。男性版はそれこそ沢山あるのに。
結局権力と感情が絡むと性別に関わらず泥沼になるよなぁと。滅茶苦茶床の事情が反映されている。
ラスト、アビゲイルが女王の唯一の寵愛を手にし地位も手に入れ勝利した様に映りますが、実際は女王の永遠に埋まらない空白を慰める為の道具になったに過ぎず。
幼い頃から寄り添い恐らく女王の本質を誰より理解していたであろうサラを結局は捨ててしまう 気まぐれで尊大で脆い女王様の気がいつまた変わるとも知れず、とても不穏な結末を迎えます。
結局このシステムから抜け出し穏やかそうな夫と共に暮らすサラが一番幸せだったのかも知れないです。(国外追放を受けていますが…)
女王宛の手紙をしたためるシーン好きだったな… 執着するのを止めさえされば酷く楽になれる筈なのにという…
女性のバトルが壮絶
この監督の作品は初めてだったけど最も好きな女優エマ・ストーンとかつて好きだった(久々見たな)レイチェル・ワイズがいい感じに女性のバトルを繰り広げる。そこにまあダメな女王を演じるオリビエ・コールマンの演技も絶妙に加わる。
ダンスを辞めさせるシーンで女王に顔面ドアップ長回しとかの演出は良かった!英国王室、女王とそれを取り巻く女達がテーマにもかかわらず、ふんだんに変態的な下ネタを散りばめているのも監督が鬼才と呼ばれる所以なのだろうか。
最後はなんじゃこの終わり方と思ったけど、ウサギと同じfavouriteの1つでしかないという理解で腹落ちしました。
魚眼レンズ
監督の過去作と比較して、残念だが興味が薄い内容である。英国版大奥といったプロットで、世界中で起こっている浅ましい人間模様を描くスタイル。
カメラの構図や、表題の通り特殊なレンズを使用しているところが変わった作りとして目を惹く。
ドライに突き放すような演出が監督の特徴なのだと過去の2作との比較で分る。
登場人物はwikiでも出ているので実際の人なのだろうが、あくまでも繰広げられている顛末はフィクションであろう。ただ、今作は自分にとってあまりのめり込めるような題材ではなかった。それぞれのエゴがぶつかり合うガチンコの中で、唯々、市井の人達がこの茶番の犠牲になっている事実を、今の時代も同じ構図として繰広げられている様は、本当に悪夢であり、無常観に苛まれるのみである。女性が観ればまた違った感想なのだろうか・・・
言葉にできない。
バリー・リンドン」を思わせる映像美とリアリティ、絶妙なタイミングの音楽、ドロドロの欲望劇。キャラクターも魅力的、心理描写が秀逸、良かったところを挙げればきりがないけど、映画が終わった時の感動はなぜだか言葉にできない不思議なものでした!!
このエンディング❗
エマが好きなので、途中までは「虐めに負けないで頑張って❗」などとつい応援していたのですが
え?えっ?ありとあらゆる方法を駆使して没落貴族から上流階級に返り咲こうとするわけですね。犯罪らしき行為さえも厭わないと。
対するは聡明で美しき参謀サラ。したたかに陰で操り女王とイングランドを支配する。あ、ついでに旦那様もw
気難しく気紛れ。痛風などの病気に悩まされるア(ライグマ)ン女王は、女二人が自分を奪い合うのを見るが楽しくて仕方ない。いつも誰かに愛されたい、必要とされたいと願っている。でも近づいて来るのは権力目当ての人間ばかり。
要するに誰も幸せではなく、常に根底にある不足感。
お、重い(ーー; でもこういうエンディングは好きです。印象的。
裏表あるエマストーンも悪くはないが・・
裏表あるエマ・ストーンも悪くはない。
終盤、もう一度立場がひっくり返るかと予想していたがそのようなことはなかった。なんか物足りないと思うのはきっと自分だけではあるまい。
あと、最後のぼかすような描き方は好き嫌いがわかれそう。
百合版
仁義なき戦い腹黒キングダム。
陰湿なシーソーゲームは
エンドロールの中もその後も続いている。
エマストーンのオッパイは1回だけ。
あと、二回は見たかった笑
音楽の使い方やアングラエログロ加減がホドロフスキー作品のような既視感。
影響うけてるんでしょうかね〜。
とりあえず、
エマストーンは出なくてよかったんじゃないかなぁw
百合のやおい
チープに言えば中世ヨーロッパ版大奥なんだけど、もう、主要な女性が全員病んでるか打算か野心かでしか動いてなくて!!正義とか正論とか人道とか人権とかなにそれであなたは生き残れるとでも思ってるの???感がすごくてね!!先輩夫人の男装?も、エマストーンの貴婦人の装いも女王の甲冑も、普段セクシャリティとか小難しく考えてるのを全部焼け野原にする勢いで萌え上がったのですよ…!!!
顔、顔、顔
登場人物の顔、顔、顔。顔のアップの長廻しを多用する。
観るほうは精神力を消耗しながら、その顔に浮かぶ表情を読み取らなければならない。非常にしんどい映画鑑賞であった。
いずれ劣らぬ個性的な顔の女優三人だが、女王役のオリビア・コールマンの演技が白眉であった。
権力というものが一個の肉体である自らと不可分のものではないことへの焦燥や苛立ちを表わしたかと思えば、次の瞬間、自分こそが権力の源泉であることを傲慢に見せつける表情へと変わる。
女王という特別な立場にいる人間の、特殊な事情ではなく、自我を持つ全ての人間が味わう苦しみがそこには描かれている。
うさぎ
動物は檻の中にいると異常な行動をとるらしい。動物園の動物は共同行動と呼ばれる異常行動(同じ所をいったりきたりする、毛を引き抜くなどの自傷行為)をしていると何かの記事で読んだ。確かに子供の時に行った動物園の動物は、同じ所をいったりきたりしていた。
人間も同じ様に狭い世界の中にいると、頭がおかしくなるのかもしれない。アン王女の過食も情緒不安定も檻の中に閉じ込められた動物と同じ様なものだろう。アン王女だけではなく、王室の男達が揃いも揃って気色悪いのもそのせいな気がする。気色悪い者同士で檻の中にいるものだから自分達がズレている事に気がつかない。
はじめは物事を俯瞰して見ていたアビゲイルも、狭い世界にいるうちに日に日に神経が麻痺してきたに違いない。1回で6匹もの子を産む多産のうさぎはアン王女の分身であるのに、事もあろうかアビゲイルはアン王女の子うさぎを踏んでもて遊んでしまった。今までのアビゲイルだったら、そこまでの馬鹿な真似はしなかったはずだ。やはり、狭い世界の中だと大きく物事を見る事ができず、油断して馬鹿になってしまった気がする。自分も狭いコミュニティに居過ぎないように、気をつけよう。
こんな人達でも国を治める事ができたのだ。いや、異常だからこそできたのか?しかしこれは18世紀のイギリス王室の事だけではなくて、現代国家にも通じる事かもしれない。現代でもアメリカのトップも中国のトップも日本のトップも総じて頭がおかしい。人類は全く進歩なんかしていないし、トップは自分達の世界の中だけで自己完結する生き物だ。そもそも人間自体がご都合主義な生き物だ。ヨルゴス・ランディモス監督からは、そんな声が聞こえてくる。
皮肉たっぷりの王室もの
王室版大奥と言われるこの作品、まさにって感じでした。
エマ・ストーンとレイチェル・ワイズの表には出さない奥底でのいがみ合いが面白かった。あとかなり体を張っている。
非常に自己中心的である、まぁそういった立場の人間なのだろうが、アン女王はあまり好みになれない人物ではある。彼女自身そう思われると思っているから、周りの人たちが気に入らないのだろうな。そんな彼女の"お気に入り"になり、地位を高める2人の女が奮闘する。戦争における国の勝敗を決める議会なんて気に入られるために利用するもの。ラストは、結局女王の"立場には逆らえない"ということなのだろうか。
ランティモス監督の独特な皮肉交じりの世界観、興味深かった。
生クリームたっぷりな世界観にエマ・ストーンというスパイス
個人評価:3.9
ヨルゴス・ランティモスが作り出す独特で不思議な世界に入り込んだエマ・ストーン。ハリウッドの旬な女優にとっては、まるでアリス・イン・ワンダーランド。
たっぷりな生クリームを入れた料理のような鬼才の作り出す世界観に、エマ・ストーンという食材が入る事により、鬼才の他作品とは違い、とても人間くさいドラマチックなハーモニーとなっている。
本作でもウサギやロブスターやダチョウもアクセントとして用いられ、人間と他の動物達との対比を物語っている。
ラストのシーンでは、地位を勝ち取ったエマ・ストーンも、所詮クイーンの前ではウサギにすぎないと皮肉を感じさせる。
映像とそれに溶け込んだ音楽も素晴らしく、達人が作った作品だと嫌が応にも感じさせられる。
クイーン役やエマもすばらしかったが、レイチェル・ワイズの猛者っぷりが光る。
嫌悪もここまで突き抜ければ清々しい
見てはいけないものを
覗き見させられてる感じ
清の欠片もない
臭い立つような画面
人間の業の愚かさ
それをさらに突き詰める酷さ
家の存続も絶望的
国家の運営の重圧に加え
身体の不穏が日に日に重くなる
女王の不安と孤独が見え隠れ
ヒステリーの中に哀しみが滲む。
政治的手腕と女王の信頼を鼻にかけ
国家を我が物のように動かすサラ
無知を圧して野心を燃やし
あらゆる手を尽くすアビゲイル
すったもんだの挙げ句に
彼女たちに訪れるものが
これまた吐き気を誘うほどの胸騒ぎ
それでも生きていく…それが人間
決してウサギではない。
豪華な装飾と醜悪な人間
非常に評判が高い映画でしたが、好みではなかったのが残念。派手な化粧やダンスは、どれも過剰に感じたんですが、あれは演出?それともそう言う時代だったのでしょうか?女王のお気に入りの座を争う女通しの争いは想像通り。ラストシーン、愚かな女王の悲しみの大きさに心が塞がれました。
エンターテイメント派には・・・
オリヴィア・コールマンとイギリスものが気になるので、見に行ってみた。
女同士のドロドロが苦手な上に、映画にエンターテインメントを求めるライト派の私には、少し合わない映画だった。誰も幸せにならないし。
メインの女子は、3人とも癖がありすぎて、賢くて、したたかで、愚かしい。それなのに、なんとなく彼女たちそれぞれに寄り添うような気持ちになってしまう。それぞれを愛おしいとさえ思えてくる。
こういう風にみてる側に思わせる力を、演技力と言うのかな。
音楽もとても印象的で、すごく不安になったり気持ちを揺さぶられる。そういうのもちょっと苦手な感じだった。
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