「隠微な世界の無能な女王と側近政治の危うさ」女王陛下のお気に入り む〜ちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
隠微な世界の無能な女王と側近政治の危うさ
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美術品のような宮殿の中、無能な女王とその側近(お気に入り)が操る政治の危うさが、隠微な宮廷世界と共に見事に描かれています。アン女王、その側近のサラ、そしてそれを追い落とすアビゲイルの3人の演技が秀逸。女の権力争いや愛憎、執念を見事に表現しています。アカデミー主演、助演に3人がノミネートされたのも頷けます。女王の周りの貴族達もその奇抜な衣装や白粉を塗った出で立ち、裸の貴族に果物を投げつける宮殿での遊びなどその愚かさ、馬鹿馬鹿しさを嘲笑しています。
日本の忠臣蔵の元禄時代、18世紀初頭のイングランドの宮殿は、素晴らしい絵画や書籍に囲まれ当時の王室の姿を垣間見た感じがします。また、後のチャーチル首相を生んだブレナム宮殿もこの時期にアン女王の資金援助で建てられのも驚きでした。
ブラックユーモア満載で決して言ってはならないと教えられた英語表現がどんどん出てくるのにも仰天しました。奇抜な映画表現と3人の女優の表現力に圧倒された2時間でした。
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