「多分、映画としてのクオリティーはとても高い…。」女王陛下のお気に入り わいちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
多分、映画としてのクオリティーはとても高い…。
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多分、映画としてのクオリティーはとても高く、非常に計算された脚本と三者三様の素晴らしい演技が織り成す、絢爛豪華な宮廷絵巻とも言えるのでしょう。
後半の女王の決断は、二人の愛人の狭間で揺れた情事の結果でしかないとも見えるし、重税に苦しむ民を救い、無用な流血がこれ以上続くの止めた英断だったとも見えます。
ラストシーンも、エマ・ストーン演じる女中の策略により、国家の財政を使い込んでいた事にされてしまった様にも見えるレイチェル・ワイズだけれども、実際、最前線に居る夫の為に、どうせ承認が下りるハズと、前倒しして使い込んでいた事実があったのかも知れません。
ただ一つ確かに言えるのは、エマ・ストーン演じる女中が、己の欲望の為だけに人として遣ってはいけない行いによって、権力の中枢の座を手に入れたという事実です。厳しいけれども、自分を引き上げて呉れた恩人に対して、恩を仇で返したという事実です。
キャッチフレーズにある様に、宮廷に良心は不要という事なのかも知れませんし、現実社会も似た様な物なのかも知れません。けれども、だからこそ映画の中には夢を見たい、人を信じたいという思いがいつも強く有ります。
そう言った訳で、主人公に深く感情移入する事が出来ませんでした。育ちが悪い人間は、心根までひねくれてしまうといった偏見を助長する様にも思われます。
見終わった後に、酷く複雑で陰鬱な感情に見舞われました…。
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