「顔、顔、顔」女王陛下のお気に入り よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
顔、顔、顔
登場人物の顔、顔、顔。顔のアップの長廻しを多用する。
観るほうは精神力を消耗しながら、その顔に浮かぶ表情を読み取らなければならない。非常にしんどい映画鑑賞であった。
いずれ劣らぬ個性的な顔の女優三人だが、女王役のオリビア・コールマンの演技が白眉であった。
権力というものが一個の肉体である自らと不可分のものではないことへの焦燥や苛立ちを表わしたかと思えば、次の瞬間、自分こそが権力の源泉であることを傲慢に見せつける表情へと変わる。
女王という特別な立場にいる人間の、特殊な事情ではなく、自我を持つ全ての人間が味わう苦しみがそこには描かれている。
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