「けだものの本性を隠すために着飾り、豪勢な宮殿に住む、国家を蝕む悪女たち。」女王陛下のお気に入り 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
けだものの本性を隠すために着飾り、豪勢な宮殿に住む、国家を蝕む悪女たち。
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さすがランティモス監督、「ロブスター」「聖なる鹿殺し」に連なる世界感。
政治倫理観を現代の尺度で測るのはフェアではないことは重々承知だけど、国民を露ほども顧みず、我が身の欲望のみに執着する姿を、ここまで見苦しいことなく描けるのは監督の手腕。むしろ、その傲慢さと権力への執着は潔いと思えるくらいだ。そう思えるのは、それぞれが自分の利己主義ぶりに気付きながらもそれを良しとしてふるまっているからだろう。だから、『私はいつだって自分の味方よ』と言い切るアビゲイルの視線が、かっこよく見えてしまう。エマ・ストーンもレイチェル・ワイズもいい顔してるんだよ、腹黒なのに。ラストの王女との嫌味合戦なんて、そこいらのセレブが足元にも及ばぬ火花が散る名シーンじゃないか!
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