「I have spoken! 英国のドロドロっぷりにハマる!」女王陛下のお気に入り アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
I have spoken! 英国のドロドロっぷりにハマる!
2019年度アカデミー賞に軒並みノミネートしている本作。納得の怪作でした。今まで余り英国王室に思い入れとかなかったのですが、本作を観て色々検索すると本当にドロドロしてるよなぁっと思います。アン女王以外でもドロドロした話がてんこ盛り。で、多分なんですけど、本作の監督ヨルゴス・ランティモスもギリシャ人ですしイギリスには余り思い入れは無さそうで、イギリス王室の醜聞を渇いたタッチで描いています。うーん、面白かった。
あのカメラを定点視点で固定して見せるのって面白い撮り方ですよね。最近でいうとVRで動画見るとあんな感じの視点になるので上手い事取り入れてるなぁっと思いました。なんというか自分もその場にいて見てる感じになるんですよね。
レイチェル・ワイズ、エマ・ストーンの演技が素晴らしいのは勿論の事、アン女王を演じたオリヴィア・コールマンのインパクトったら!実際のアン女王も頭使うより体動かす方が好きな人物だったみたいで、歳を取ってからはブランデー好きが祟って肥満や痛風で苦しんだようなのですが、オリヴィア・コールマンはそんなアン女王を見事に体現してましたね。もう本人そのもの!そして、ニコラス・ホルトが楽しそうでした。
長年アン女王の右腕として政治も取り仕切っていたサラに比べ、結局アビゲイルの目標って貴族に帰り咲く所までだったんですよね。で、貴族になったらなったで、サラも追い落としちゃった後は何処となく退屈そうで。アン女王の方はサラを切っちゃったんで自分で悩まなくっちゃいけないようになってて。字が読めないような体調でも虫メガネ使って苦労してて。んー、誰も幸せになってないんじゃ!?
色々検索するとアン女王はサラを追放した四年後には亡くなってるみたいなんですよね。で、アビゲイルもそれと共に宮廷を去ってるようです。片やサラは84歳まで長生きしてて。確かに映画の中でも、サラは最後には何ともいえぬスッキリとした表情してましたし、人生何が良いのかわからないもんだよなぁっとしみじみ思いました。