劇場公開日 2019年12月20日

  • 予告編を見る

「前作と今作はどちらがが良いのか」この世界の(さらにいくつもの)片隅に yuriさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5前作と今作はどちらがが良いのか

2020年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

私にとって、この作品は、浜辺で見つけたサクラ貝のように、ずうっと取っておいて、時々取り出しては見たくなる、宝物のような映画です。
勿論、この感動は人に伝えたいです。
この世界(それは日本だけに限らない)のどこにでも居る普通の人々の平凡な幸せ、戦争はそれを奪ってしまうのだということ、しかしそんな状況でも生活は続いていくのだ、ということに愕然とします。
食料や物資が日毎に入手しにくくなっていく中でも、献立やらその他雑事に頭を悩ませ、些細な事に一喜一憂する、そんな当たり前のことに気づかされます。

今作を観た人が低めの評価をするとしたら、それは前作と比べて、ですよね。私はどちらも良い、と考えます。前作では、無名の誰かにも一人一人の人生があったのだ、と解らせてくれ、反戦のメッセージがストレートに伝わりました。
今作では、視点がいくつか増えた分、すずの心情もより深く掘り下げているので、焦点がぼやけてしまうことはないです。
話がそれますが、近頃よく巨大地震のシミュレーションとやらで死者1万人などと学者が言いますが、人命を数字だけで考える、あれには苛立ちを覚えます。仕方ないけど。

本作についてはこれ以上語らなくても、これはまさに「観れば解る」映画なのですが、あと少しだけ。
この映画は多くの人に観てもらいたいし、社会科の教材にすればいいと思います。
しかしもし、道徳の教材にするというなら、それには賛成しかねます。
政治家の中でも特に右寄りの人達は、古臭い家制度を重要視しています。女性活躍とは、家の中で女性が大いに働いて、家計を切り盛りし、病人や高齢者の世話をする事を指すのか、と思ってしまいます。
下々の者は互いに助け合って身の丈に合った生活をし、どんな苦難にも笑って耐えなさい、などという間違った思想教育に、この美しい映画が利用されませんように。(これは仮定の話で、もしそうなったら悲しい、という意味です)
そう考えると、今作でのすずは、ただおっとりして、気立てがいいだけではなく、感情を露わにする激しいところもあったりして、より好感が持てます。

ゆり。
Mさんのコメント
2022年12月26日

原作者こうの史代さんの作品で「夕凪の街 桜の国」というマンガがあります。特に「夕凪の街」は心に残るものです。短い作品ですが、もしよかったら。

M
ゆり。さんのコメント
2020年1月7日

kossyさん、コメントありがとうございます。山田隆夫さんは、なんと同じ中学出身です。でも、なんでだろ~「みんななかよし」しか記憶に無いです。山田さんは統率力があって、生徒会長や合唱の指揮をやったというウワサです(定かではない)
今からでも政治家を目指してもらいましょうか(笑)

ゆり。
kossyさんのコメント
2020年1月7日

道徳が教科化されてもイジメなんてなくならないし、政治家の考えてることは自分の理想の国家にしたいだけ。
俺が小学校の頃の道徳の授業は「明るいなかま」のTV鑑賞ばかりでしたw
当時の明るいなかまは、今では座布団運びをしている山田隆夫が主演でしたが、主題歌を聴くだけで懐かしくて涙が出てきます・・・😢

kossy