「待望の完全版・・・だが、極限まで切り詰めた前作も良し」この世界の(さらにいくつもの)片隅に kita-kituneさんの映画レビュー(感想・評価)
待望の完全版・・・だが、極限まで切り詰めた前作も良し
ほぼほぼ良かったとは思うのだが・・・
(足りないパズルのピースが埋まったとは思うが)
第1作が極限まで切り詰められていたのに対し、追加部分のなかで、やや気になる点が。
以下気になった点
1.水原に唯一の鉛筆をなくされた後の件、原作では他の男子が絡む部分は、なかったはず。
今どきの子供じゃないんだし(水原をより凶暴に見せるため?)。
そのくせ、先生が鉛筆を借してくれるシーンがない。
2.小松菜の件、径子が帰る経緯のために入れたのだろうが、その後の小松菜が出てこないので尻切れトンボの感が。
あと、原作通りにクドクド言わせるのもどうなのだろうか。後の早回し説教の件から見ると蛇足に思えた。
3.リンドウ柄の茶碗の件は原作通りのほうが良かったような?
小林夫妻が家であれこれ言っている件は小説版には載っていたかと思うが、原作には、ないのに追加する必要があるものだろうか。
4.竹やり訓練の件、長物危険!な、すずが出てくるのは、隣組のところだけなので、ちょっと説得力に乏しいような。
その前の竹やり用の竹の採取?のところで、リンの身分証とノートの切り欠きが判明するところをすずの手ぶりで表現していたが、あれこそ原作通り、すずのモノローグで良かったような。
5.桜見物の件、リンに海軍事情を語らせるのはどうしたものかと。
山本長官さえも愛人に軍事機密を話していた、あるいは兵士に対して厳罰化する一方、海軍将校の汽車内でのおしゃべりでも軍事事情が分かったと言うような話も聞くので、あるいはそれを表現したものか。
理詰めで見ると、おぉ完璧!なのだが、前作でも(エンドロールを含めて)脳内補完や想像で埋められた部分に細かい説明をされるのもどうかな?とも思う。
一番の衝撃は夜の営みか?
(まさか入るとは・・・原作よりなまめかしい)