「説明しすぎなのが残念」この世界の(さらにいくつもの)片隅に なみなみさんの映画レビュー(感想・評価)
説明しすぎなのが残念
クリックして本文を読む
原作もそうですが、通常版も、細かいところをあえて言葉で説明しないですよね。人物がその場であったことをそのまんま喋るからいい。だから原作は何度も読み返しては新たな発見があるし、通常版も、原作を読んでから見ると、カットされた出来事もちゃんとあったことなんだ、とわかるわけです。
というところで、原作屈指の名場面であるりんどうの花の秘密に気づいてしまうところ〜周作さんの過去が明かされるところですが、ちょっとつまらなかったなぁと。あれは観客も一緒に気づいて、すずさんと一緒に固唾を飲みながら帳面を見つけなくてはならない。(原作では帳面は紙の特徴がわかりやすく、表紙を見たときにあの紙とわかるのです)
周作さんがすずさんを嫁に迎えた理由も明かされましたが、想像通りでした。ということは原作のセリフのないコマだけで全て説明されていたわけで、それを急に説明口調で言う必要はないよなあと。
周作さんとリンさんの再会シーンも何故セリフを入れたんでしょう。すずさんからは見えないし聞こえないはずです。(気づきながらも見ようともしないシーンだから)
通常版でのポリシーであった、すずさんの知らない事は描かれない というお約束が破られており、内容が大人っぽくなったのに説明は子供向けか?とガッカリです。
と言う文句も期待値が高すぎたからで、そのあたりが原作準拠の丁寧なつくりだったらもう5点満点じゃ足りないくらいの点だと思います。
コメントする