劇場公開日 2019年12月20日

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「マイナス評価がない映画」この世界の(さらにいくつもの)片隅に ぎんぱぱさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0マイナス評価がない映画

2019年12月23日
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自分も含めて前作から3年間で育った超コアなファンが一定数いるので、公開直後の満足度No.1なのは素直にうなずける。

前作は今作公開の前日まで1133日にわたって劇場公開され続けた。これは映画館がこの映画と監督に惚れて公開し続けたからである。

監督の穏やかでマニアックで情熱的な言動もこの映画のヒットの要因だ。前作ではおそらく180回以上の舞台挨拶を行い、その度にファンと直接会話し、たくさんのエピソードを振り撒く。Twitterでファンのツイートを毎日いくつもリツイートする。
監督のこういったキャラクターが映画館の中の人を惹き付けて、ファンを長くファンでいさせた。
だから3年前公開された映画が今回長くなって新作として公開された訳じゃなくて、ひと続きの、一連のストーリーなのだ。

映画ファンでなく、ましてやアニメファンでもない僕が前作を劇場で45回も観るはめになったのは、作品そのものもさることながら監督、スタッフ、資料提供した方々、映画館、特にシネコンじゃない厳しい経営を強いられながらがんばる映画館みーんなが魅力的だったからです。

前作の映画を作るときに既にこの「さらにいくつもの」を見据えていたのは明らかであり、監督にとっては映画化を決めてから9年間の集大成となるのです。

今作も練りに練られたマニアックな部分と儚くもかわいい遊女のエピソードなどを挿入し、コアなファンが観ても全員納得な仕上がりになっている。

監督は既に次回作に着手したらしく、間違いなくこれからのアニメを牽引することになろう。

ぎんぱぱ