「周作のたくましさ」この世界の(さらにいくつもの)片隅に 神田春さんの映画レビュー(感想・評価)
周作のたくましさ
前作は何故こんなシーンがせかせかと進むのかと思った。
後で時間の制約が厳しかったことを知る。
本作はそんな印象はなく、ゆっくりとストーリーを追うことが出来る。
そういう意味で完全版だろう。
前作と比べて存在感を増しているのは白木リンだ。
前作ではなぜ登場したのか分かりづらかったが白木リンの存在が
このタイトルのテーマに繋がっている。
そして周作、周作の姉と主人公のすずがこの物語の中心となっている。
頼りなさげに見える周作もじっくりと描かれた本作を見ると
こんなにたくましい人なんだと仕草一つ一つに思わせる。
白木リンとは対局にいる水原への対応、
白木リンに引きづられたすずへの対応にそれが伺える。
泣かずにいようと思ったが広島の遺児が周作の姉を
慰める存在になっていくシーンではやはり泣いてしまった。
前作で初めて知って初回での感動に及ばなかいが、
あらためて見る価値のある完全版だ。
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