「ミュージカルアレルギーを逆手に取ったエンタメ作品。」ダンスウィズミー レントさんの映画レビュー(感想・評価)
ミュージカルアレルギーを逆手に取ったエンタメ作品。
さすがは安定の矢口ブランドというところか、前半はかなり楽しませてもらった。しかし中盤以降ロードムービー調になって、失速。作品のテンポが悪くなる。また、今回は脚本も少々弱い.。
主人公の静香は幼少期の体験からミュージカルを毛嫌いしていた。にもかかわらず催眠術にかかり音楽を聴くと所かまわず踊りだしてしまう体質に。
これは本来、彼女の眠っていた願望が催眠によって目覚めさせられたのだという。つまり彼女は本当は歌って踊ることが大好きだった。しかし、いままでその自分の気持ちを封印して生きてきたということ。
ラストで彼女は一流企業でのキャリアを捨てて、ダンサー志望の千絵との夢実現への道を選ぶ。しかしその結末に至るには彼女が子供の頃から芸能にあこがれていて、キャリアをとるか夢をとるかという葛藤が本編で描かれてないとおかしいのだが、それがほとんど描かれていない。
だから観客からすれば最後の彼女の選択がとても唐突に思えてしまう。ずっとどちらを選ぶか葛藤してたの?と。
幼い頃からバレエを習い、学芸会のミュージカルの主役に抜擢されたことを喜んでいた静香。しかしその学芸会での大失態以降、彼女が芸能の世界を目指していたというエピソードが本作では全く描かれない。
就職か芸能への道かで悩み、結局夢をあきらめて就職したが、彼女の中に芸能への未練がいまだ残っており、そして夢を追い続ける千絵と出会い共に旅しているうちに、やはりキャリアを捨てて夢を追いかけるという決断に繋がるという流れにすべきだった。
途中、結婚式の騒動とか車を盗まれるとかのエピソードは全く不要だったと思われる。またムロツヨシ演じる探偵の存在やましろゆう演じる千絵との関係性も描きこみが足りてない。船のカラオケでの喧嘩のシーンも唐突。
前半がとても面白くて、また今回も矢口監督に楽しませてもらえるとの期待が膨らんだだけに本作は少々残念。
主演の三吉彩花はダンスもよく頑張ってて良かった。ただ唯一残念なのはチンピラ同士の抗争に割って入る時のダンスがいまいちだったというとこ。別に下手というわけではなく、おそらく周りは本物のダンサーで固めてたことから、あそこはそれらダンサーを圧倒するようなキレッキレの目の覚めるようなダンスを見せてほしかった。中盤での一番の見せ場だっただけに。
コメントそして共感ありがとうございます。
全削除は正直言って怖いです。
(復元してほしいですね)
(何百ものレビューなら、もう耐えられはないですね)
私も使っては駄目な語彙とかある事を知りました。
それにしてもレントさん、精力的にレビュー、映画館に行かれてますね)
とても分かりやすく要約された素敵なレビューで、いつも凄いなぁと、
読ませて頂いています)
このサイトは無料なのに私的にはどんどん使いやすくなってると
思っています。
自分のレビューが1番最初に載って、そのあとフォローしてる方々のレビューが来る・・・改良点もあるから、好きですね。
まぁ、この日本の現状を見ても、スポンサーの意向を無視しては
運営して行けないのかもしれません。