デス・バレットのレビュー・感想・評価
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やりたい表現をやる!という決意の塊
モリコーネのマカロニウエスタンの映画音楽を大々的に引用してることからもマカロニの影響を受けていることは明らかだし、顔のアップの切り替えしを多用するスタイルも完全にマカロニだが、だからといってマカロニの継承者ではないと思う。むしろマカロニ的表現の中から「オレはこれが好きだ!」という要素だけど取り出し、アンプと通して最大限に増幅させて轟音にしたみたいな押して押して押しまくる異形の映画だ。
アップの多用にしても、何度も切り替えしているうちに寄り過ぎて何が何だかわからなくなったりするし、登場人物の位置関係もわからなければ、もはや誰の目だか口だか判別できなくなるのだが、この作品固有の目的意識はいささかも傷つかない様子で、どんどんシュールでサイケでアバンギャルドな方向へと向かっていく。もはや現代アートの範疇ではないかと思う。
ハル・ハートリー映画でおなじみのエリナ・レーヴェンソンがとんでもないビッチをほぼノーメイクで怪演しているのも驚きで、スピンオフができてもおかしくないくらいのモンスターキャラだった。
疑心暗鬼
金塗れボディ
ゴツめのウエスタンスリラー的ストーリーに攻めた映像表現を組み合わせたギャップが面白い。
アップショットや流れるようなカット割りが印象的。
女画家ルースの顔も髪型も身体もすごく好みで、ちょくちょく挟まれる意味のわからないエロいイメージシーンが好きだった。
後半ほとんど顔が真っ暗で残念。もっと見せて欲しかった…
金塊強盗と警察と画家と弁護士と小説家とその妻子、わりと多めの登場人物それぞれの意図と関係を汲むのが大変。
落ち着いて観れば筋は追えるけど、映像演出と細切れ細切れの見せ方による小さな混乱が多い。
同時刻の出来事を多方面から見られるのでわりと説明は丁寧なんだけど。
アーティスティックに振り切るにしても骨太なストーリーを楽しむにしても若干中途半端に思えてしまった。
夜になるにつれて陰影のコントラストが強まっていき、裏切り裏切られ誰に命を狙われるかわからない「一寸先は闇」の感じが視覚で襲ってくるので緊張感は結構楽しかった。
後になって色々考えると面白いんだけど、鑑賞中なかなか乗り切れなかった。
音楽と映像はカッコいい、とは思う
かさ増し
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