劇場公開日 2019年6月14日

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「小品なれど佳品」泣くな赤鬼 CBさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5小品なれど佳品

2019年6月20日
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鑑賞方法:映画館

高校野球部の監督が病院でばったり出会ったのは、甲子園まであと一歩だった十年前に、期待をかけていたのに途中で退部退学していった選手だった。ガンでもうすぐ死ぬ彼と監督の話。

教えていた先生、教えられていた生徒。機会を与えていた先生と、それを勝ち取ったり、戦わずに去ったりした生徒。当時はそんな構図に見えていたものが、年を経て振り返ると違う姿にも見えてくる。
実際に、先生は彼によって再生する。

堤さん、そして柳楽さんの演技がいい。特に柳楽さんは、ちょっとヤンキーな “いい奴” を見事に体現している。

彼が残す家族に言う “無理” が、ひとつひとつ胸に刺さり、「泣くな」とタイトルで言われても、とても無理だ。

派手な映画なら、「彼は、最後の半年間、先生のもとでコーチをし、弱小校に初勝利を味あわせて、亡くなった」といったドラマにしたりするのだろうが、原作は重松清さん、地に足がついた小品なストーリー。
だからこそ佳品になった感じ。

彼の妻を演じた川栄さんも絶妙な役柄。高校時代の彼を演じた堀家さんも見事でした。

観てよかった。

追伸
柳楽さん、野球は下手か〜
小さい頃から名優だから、機会が少なかったかな

CB