「リアリティのあるフィクションながら才能に嫉妬を覚える映画」アルキメデスの大戦 homeyiii_aさんの映画レビュー(感想・評価)
リアリティのあるフィクションながら才能に嫉妬を覚える映画
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2019年に公開された映画だが、最近ネットフリックスに追加されたので視聴。
巨大な戦艦か空母か、アメリカとの戦争に向けた戦力として相応しい兵器を製造するため、軍では会議が行われていた。戦艦を作り日本の美と英知を見せつけるか、主戦場を空として捉えた空母を作るかは、それぞれの正義に基づく戦いであった。
史実と違い、登場人物や実際の筋書きはフィクションながら、大日本帝国やその考え方、軍規の厳しさなどのリアリティを混ぜた展開のため非常にのめりこめた。
主人公の櫂は本作オリジナルの人物で湯川直樹と並ぶと評されるほど数学に関しての天才。数字に関する知識や真実を追い求める情熱が非常に伝わると同時に、リアルでこんな人物がいたらとんでもなく嫉妬する。2週間で積算、数日で図面を書き鉄の数量で見積もりをはじき出す方程式を編み出す。かなりフィクションを感じるが、それでも天才ならできてしまうのだろうかと思ってしまうギリギリのラインが面白い。
平山の真実の正義と自国を憂う考えにも非常に共感と納得を覚えた。表面的な正義を貫こうとするだけでは自国を守れず、また勝つことだけが正義ではなく負けた後の国の行く末まで想像することにも思慮深さが感じられた。
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