マチネの終わりにのレビュー・感想・評価
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「私、結婚するのよ?」「だから止めに来た」
はいはい、どうぞご勝手に。だけどそれで迷惑をかけた人間の存在を無しにするなよ。ギターの上手いカッコいい男といい歳のわりには可愛い女だからって惑わされるなよ。運命と思い込んでいるのは当人同士、ただのスカした野郎と罠に落ちた女の話なだけだから。
渡辺淳一とかなら別に気にもしないが、識者ぶってた平野啓一郎ってこんなゲスな本を書くひとだったのか。「過去だって変えることができる」って気の利いたようなメッセージを込めるが、そこには”大いなる代償を伴って”って注釈もつけろよ。それが世間の総意。
だけど仮に、もし、万が一、何かに血迷った自分がそんな関係に迷い込んだとしたら思いっきりそう罵倒していいよ。その覚悟ありきで、この映画をクズだというよ。
心がギュッとなりました
元々原作者のファンで、本作に関しても映画化が決まる前から読んでいた。
自分が好きな作品の実写映画化というものは、なんとも不安なものだ。例に漏れず今回も酷くモヤモヤしていた。もちろん、本には本の、映画には映画のいいところがあるというのは重々承知している。けれど、自分が字を読みながら自分の頭の中だけでイメージしていたあれこれが、いざ目の前に違う姿で現れることは何回やっても慣れないもの。SNSで知り合った人と初めて会う日みたいな、お互い知ってるしすごく楽しみだけど、どんな人なんだろう、ちゃんと話せるかな、なんか不安。そんな気持ちで今回も劇場に足を運んだ。
だがしかし、大抵そういう不安てやつは会ってみると一気に吹っ飛ぶ。そして、会ってよかった最高だったと思うようにできているのだ。僕のこの作品に対する不安は、開始1秒、あの音が鳴った瞬間、吹き飛んだのだった。
大人の恋愛って、10代20代には絶対ない粘り気と濃密さと、そしてなんともいえない優しさがある。苦しすぎるあれこれにも、人生山あり谷ありを経験してきた40代にとっては、それすらも我慢し、飲み込んで、グッと抑えることのできる深さもある。深まっていく2人の愛情はなんともリアリティあるもので、『幸福の硬貨』を聞いていると本当にそういう思いがいろんなところに透けて見える。燃え上がるような青春もいいけど、こういうのも悪くないよなと、鑑賞後、スッと心地よい気持ちにさせられた。
この作品を通して重要なキーフレーズである、「未来は過去を変える」という言葉。普通に生きていれば、人間消してしまいたい過去やしまっておきたい過去の1つや2つや3つ持っているもの。あるときそんな過去が、全く別の表情を見せることがある。ここにきて奥底からそんな顔してくれるなよと、しまっておいたあれこれを見て思う。すごくデリケートで繊細で、じゃじゃ馬すぎて本当に困ったもんだと項垂れる一方で、そんな過去があったからだと、愛おしくて堪らないそれらを見て思う。そんな瞬間を、これから先増やしていける未来に出来ればと。
寒くなってくるこの時期に、主演2人も含めて、街や情景、音楽、食べ物、部屋の感じから何から何まですごくマッチしていたのもよかった。人の縁と愛は、回数じゃないなぁと思った次第。原作ももう1度読み返したい。すごくよかった。
文学的で叙情的な切ないすれ違い
お恥ずかしながら平野啓一郎の小説を読んだことがないが、とても素敵なんだろうね。詳しいわけではないが、第二の辻仁成って感じだろうか。
そのためすごく文学的で言葉ひとつひとつが叙情的で感傷に浸ってしまう。こんなにも切ないすれ違いがあっていいものか。本当に心から好きであればもっと強引にでも行動に移すのではないかとも思ってしまうが、大人な繊細な恋愛とはこういうものか。
本作のキーマンは桜井ユキ演じる三谷早苗。最近引っ張りだこで一気に頭角を表してきた女優のひとりだと思う。
自分だったら三谷早苗には絶対なりたくない。こんな十字架を背負ったまま幸せを求めて生きていくなんて苦しすぎる。
でも本当に信じられる大切なものを守るためには必要な嘘なのかもしれない。
そしてキーフレーズとなるのが、「人はみな未来しか変えられないと思っている。しかし未来によって過去の思い出は塗り替えられていく」。これは救いなのか残酷なのか…
じんわり胸を締め受けられる作品。
【”未来が過去を変える・・” 出会った瞬間に恋に落ちた大人の男女の6年に亘る瀟洒な物語を美しいクラシックギターの音色に乗せて描く】
二人の男女の哀切な恋物語である。
出会った瞬間に恋に落ち、ある出来事がきっかけで、すれ違ってしまったまま時を重ねた二人。
が、二人の来るべき明るい未来を予想させる後半のシーンで救われた気になるし、少し涙が滲む。
「幸福の硬貨」というキーワードも随所で実に効果的に使われている。
(映画のメインテーマとしても随所で流れるし、福山さん扮する蒔野が印象的な場面でクラシックギターでリリカルに奏でている)
役者さんでは、桜井ユキさんが難しい役を必死に演じていた姿が印象的。エキセントリックな役が多かった彼女がなあ、と感慨深い。
すれ違う男女の長年の思い、生き様を壮年の名優の域に達しつつある福山さんと石田さんが気品溢れる抑制した演技で魅せる。
〈大人の男女の6年に亘る関係、生き様を瀟洒に描いた切なくも美しい恋物語。ラストシーンは取り分け、心に沁みた。〉
心の底で感じる想いが!
どうしても初日に観たくて、仕事帰りに最終の回で観ました。
単なる大人のラブストーリーではなく、場面場面で自分の心の中で色んな想いを感じました。
途中から、「お願いだから、どうか二人が結ばれますように!」と祈りながら観ていました。
福山さん自身のクラシックギター演奏にも魅了されました(*^^*)
近年稀に見るネタ脚本
いい雰囲気の映画だな〜主演2人の存在感すごいな〜と感心して見ていたら唐突にアンジャッシュネタをブッ込まれた。もうねアホかと。強制的に失笑モード。
いや、そうはならんやろ。あなたが死ぬなら僕も死ぬと言い切るくらいの関係性で。いやいや…!そうは!ならんやろ!!と馬鹿げた脚本に開いた口が塞がらない。
そして唐突の4年後…。いや、だから笑わせに来とるんか?!と心の中でツッコまずにはいられず、結ばれて子供まで?!そこまでの演出では女として見てる感じ一切なかったよね?!と。こりゃダメだと諦めかけた。
しかしまぁ、その辺りの中盤ネタを見て見ぬふりできる人であれば終盤にかけて良い映画だと思います。
桜井ユキの演技がとてもよかった。
評価が分かれそうな作品
物語の始めは、映画の予告編のオンパレードで、話が単純だなぁと思って...
ロマンチックに浸りたい人向けです
自分にはちょっと…
舞台がパリならではの大人のラブストーリー
石田ゆり子主演、ラブストーリー、パリ!絶対見る!!ってことで原作購入を我慢してネタバレもみないようにして観ました。
そして、、
途中から( ºΔº )エ? ( ゚д゚)ハッ!?
となってしまい、主観でしか見られなくなってしまいました。パリの雰囲気私の中で台無し(笑)
石田ゆり子さんの立場からしか見てない私もどうよと思いますが、なかなか心が苦しくなるながれでした。
子供の存在はほんとに大きくて!!子供がいるから!も、傍にはいなくても子供は幸せそうだから!両方に共感しました。ラストは環境からの影響を考えて予想しました。
石田ゆり子さん素敵だー。福山さんのギタリストもとっても似合ってました。全体に流れるクラシックギターの柔らかくてあたたかい音とパリの雰囲気が合っていて、俗的な視点をこえた大人のラブストーリーでした。原作買います。
大人の恋ってこんなにも複雑なのか…。
この結末…。
観る年代によって、考え方や感じ方が分かれそうね(´-`).。oO
ハッピーエンドって捉える人もれば、幸せとは限らないかも…と思う人もいそう。
いろんな人の意見が聞きたいです。
一つ言えるのは、運命ってそう簡単には変えられないってこと。
あの時出会わなければ良かったとか、あの時別な人生を生きていればとか、色々思う人はいるけれど、世の中そんなに簡単じゃなくて、どうにもならないことって沢山あるんだなって。
無理やりねじ曲げた人生でも幸せって思うことは出来たのに、運命の神様ってなんで残酷なんだろう…。
神様が差し向けた軌道修正のレールにまんまとハマってしまったら、2人の歯車は、もう誰にも止められない
(=´∀`)人(´∀`=)
二度あることは三度ある的な、三度目の正直的な、出逢える人って何度でも出会えてしまうものなんだね。
ただ、一つ思ったのは、こんなドラマチックで殺伐とした展開は、誰も望んでなかったんじゃないかってこと。
ある意味メッチャ心揺さぶられる展開ではあったけど、これが正解かって言うと、なかなか分別つけるのは難しい。
二人の想いだけではどうにもならないから無性に切ないラストを感じました。
映画の内容とは別に、パリの幻想的な風景や、ニューヨークのビル群などなど、世界の風景を堪能できたのは嬉しかった
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
お金と時間の関係でなかなか海外に行けない自分としては、二つの場所を一つの作品で観れたことは最高の贅沢でした(〃ω〃)
最後に…
映画を観た人に向けて。
過去を変える未来があるとしたら、いつか私がパリに行って、今日観た映画館での景色を現実のものにしたい。
2Dでしかなかったものが、3Dになったなら、今日観た映画の感想がガラリと変わってしまうかもしれないとふと思ったりしました。
未来が過去を変えることもあるってことを、知ってしまった、なんとも印象深い記憶に残る試写会でした。
そう言えば、キャストの方々のこと全然触れてなかった(´⊙ω⊙`)
ダンディな福山雅治さんのギターを演奏する姿がとても美しかった。
そして、ジャーナリストとして、快活に生きる強い女性の姿がとても似合っていた石田ゆり子さん。
二人とも、このマチネの世界にピッタリでした。
大人の恋が演じられる二人って凄い!
この壮大な世界観は、二人だからこそ、演じきれたのだと思います。
素敵なひと時を、ありがとうございました。
自分はギターが好きなので─
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