マチネの終わりにのレビュー・感想・評価
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「幸福の硬貨」・・☆
制作が発表された時から 楽しみにしていました。 本も読了しての鑑賞。 原作が 長めの物語なので 2時間に収まるかなと思っていましたが、 井上由美子の脚本は上手くまとまっていたのではと思います。 設定が若干異なっていたことと前半は物語になかなか入り込めずに どうかなぁ・と思っていましたが、後半の展開になって良くなって いったように思われました。 本を読んでいる時は、二人の行き違いの物語感を強く感じてしまって、 しつこく感じたりしたが、映画のほうがスッキリと描かれている。 それよりも、何より桜井ゆきが素晴らしくて、 彼女のおかげで話に、奥行きがすごく出ている感じ。 報われない恋愛の経験がある人なら、すごく共感出来るのでは・ 福山雅治も、ナイーブなギタリストを好演しています。 ギターの演奏シーンは迫力もあり、とても良かった。 ただ、福山と石田ゆり子の会話のシーン。 原作通りですが、好みは分かれそうです。 先を暗示するラストシーン。 個人的には、こんな形でしか終われなかったんだろうと。 ロケが美しくて、秋のパリ・NYと楽しめるし、全編を流れる菅野祐悟作曲の テーマ曲「幸福の硬貨」が素敵で、見終わってからも記憶の中で鳴り続ける。 久しぶりにサントラを買おうかと思っています。
ストーリー、風景、音楽性、人間性はいいのになんでもっと合う配役にし...
ストーリー、風景、音楽性、人間性はいいのになんでもっと合う配役にしなかったんだろう? おじさんオバサンにピュアを演じさせることに無理を感じました
これが大人の恋愛か?
相手のことを思いやるというよりは、どこまでいっても自分勝手な展開ばかり。 未来が過去をかえる て、そゆことじゃないでしょ。 クラシックギターの音色のみの背景としてならいいかも。 ラストシーン、洋子さんが駆け出したところで終わればよかったのに、翌朝までひっぱるかね? なんの感情も動かない。
原作ネタバレも含みます
この原作を映画化する、と聞いた時にまず浮かんだのが、よくそんな無理なことを、という思いでした。ストーリーは単純なのに文庫本で460ページほどもあって、天才ギタリストの蒔野とバックボーンにヨーロッパの複雑な歴史の一端を体現する映画監督を父(原作では実父です)にもつ国際ジャーナリスト・洋子の内面の葛藤をあれこれと描いています。しかも洋子はパリではなく、イラク戦争後の混乱したバグダッドで危うくテロの犠牲になりPTSDに苦しみます。
自分の演奏に意味があるのだろうか、みたいなことを呟いた蒔野に向かって、洋子は言います。
「実際にバグダッドで蒔野さんのバッハの美に救われた人間よ。」ドイツ人の半分が死んだといわれている凄惨な30年戦争のあとに作られたバッハの曲が荒廃した当時の人たちを深く慰めたように。そういうことを信じさせてくれたのが蒔野の演奏なのだと。
洋子さんは歴史や文学的な素養で培われた深くて繊細な感性を持つ女性なのです。
薪野が若い才能に出会った時の心情についてはこんな風に書かれています。
『孤独というのは、つまりは、この世界への影響力の欠如の意識だった。自分の存在が、他者に対して、まったく影響を持ち得ないということ。持ち得なかったと知ること。ーー 同時代に対する水平的な影響力だけでなく、次の時代への時間的な、垂直的な影響力。それが他者の存在のどこを探ってみても、見出せないということ。
俺だけは、その歳になっても、そんな幻滅を味わうはずはないと、蒔野はどこかで楽観していたのだったが。……』
洋子の繊細な感性がどれほど蒔野にとっての救いであり、その存在と出会ったことについては、どんな未来(例えば、三谷と娘との幸せな結婚生活)を過ごそうとも決して忘れられない事実なのだということがここからも窺えます。
次は、洋子の実父でもあり、原作では存命している映画監督ソリッチと洋子との会話。この映画での主要テーマともいえる「未来が過去を変えることができる」ことと始めから運命的なものであったのか、について考えを巡らせるのに参考となる箇所。早苗から蒔野との別れの真相を聞かされた後のタイミングで交わされています。
『「自由意志というのは、未来に対してなくてはならない希望だ。自分には、何かが出来るはずだと、人間は信じる必要がある。そうだね?しかし、だからこそ、過去に対しては悔恨となる。何かできたはずではなかったか、と。
運命論の方が、慰めになることもある。」
「そうね。……よくわかる、その話は。現在はだから、過去と未来との矛盾そのものね。」』
こんな複雑で繊細に内面が揺れ動くふたりの恋愛を映画でどう展開するのだろう、とかなりの不安を抱えて鑑賞しました。
結論からいうと、素晴らしい出来映えだったと感服致しました。
確かに「僕も死ぬよ」は小説の文脈の中では、洋子の置かれた状況が前提での会話で、違和感なく受け止めることができましたが、映画においては唐突な感じは否めません。洋子のアメリカ人の夫への失望…サブプライムローン絡みの仕事における夫のウォール街的な姿勢が洋子には認め難く、それが夫には洋子の感性の繊細さや倫理観なのだと理解出来ず、洋子の冷たさに感じられ、あげく浮気までしてしまったのだが、AAAの格付の話だけではそこまで伝わらなかったのではないでしょうか。また、三谷早苗の〝贖罪〟的振る舞いも原作にはなく、会話の中で洋子に見抜かれてからの告白となっています。
といった具合に映画では相当に立て付けが変わっているし、説明的な会話も端折られていますが、なぜか原作の醸し出す雰囲気が上手く伝わってきました。
色々と考えたのですが、この原作の映画化を思い立った人(監督なのかプロデューサーなのか分かりませんが)はまず〝絵〟が浮かんだのではないでしょうか。パリ、ニューヨーク、セントラルパークや演奏会場、レコード会社のオフィス。そして何よりもこの映画の舞台設定において何をしても〝絵になる〟役者ふたり。そこに極上の音楽が加われば、2時間の〝絵〟が創出できる。たぶん蒔野も洋子もそれぞれ実年齢よりは10年くらいは若いはずですが、まったく違和感がありませんでした。
セリフや説明的な会話で現実感がなくなるよりも、絵画的な趣きで再現したい。内面的な葛藤や背負った過去も役者の感性で勝負できる。そういうチャレンジだったように受け取りました。
原作では重要なファクターであるイラク戦争後のバグダッドの風景やソリッチの姿は監督のイメージする絵の中には時間的制約も含めて、当てはまらなかったのだと思います。
冒頭のシーンでは、走らないと言っていた洋子さんにニューヨークの演奏会の時は遅刻するわけでもないのに走らせていましたが、(たぶん)ロケハン中に見つけた過去を変える象徴となった石塊(ベンチ)ともども監督の〝絵〟には欠かせないピースだったのですね、きっと。
大人のラブストーリー、石田ゆり子は圧巻
予告通り、大人のラブストーリー。3回会っただけで、、、と聞いて、福山さん、ストーカー役なのかと思ったら、そんなことは無かった。 単純に、なりふり構わず、という恋愛ではなく、2人以外の色々な事に気にかけながら発展していくところが大人っぽい。キスからの、、、も、大人!20代ならあれはなかろう?(笑)大人なのだよ。 ただ、全体的なストーリーは、個人的にはあまり好きではなかった。ネタバレになるので言いませんが、クソ人間が何人かいる。よくそんなな事が出来るなとか、そんなことしたらあの人はどんなに傷つくのか、とか、気になってしまった。 羨むようなハッピーエンドでもなく、切なくなるようなバッドエンドでもなく、なんかモヤモヤしました。 石田ゆり子は圧巻。強い大人の女性でもあり、弱さもあり、可愛らしさと美しさ、とにかく素敵でした。 福山雅治は、好きなアーティストで好きな俳優ですが、この役はプロのギタリストで、博識、冷静、クール、セリフがカッコイイ。ある意味完璧なハンサムで、逆に人間的に魅力を感じない。 映像も、パリ、ニューヨーク、マドリードと、ベタな都市ですが、美しくうっとりします。 なんか最近の映画と違う雰囲気があると思ったら、フィルム撮影だそうですね。テレビドラマとは違う。 あとは音楽もよかった。 主題歌?である「幸福の硬貨」。この曲の善し悪しで映画の善し悪しが決まるほど重要。てっきり既存の名曲なのだと思ったら、菅野祐悟のオリジナル曲だとは。1番びっくりした。 過去で未来は変わるけど、未来で過去も変わる。 はいい言葉、この今を知るだけでも見る価値がある。
本能的に恋に落ちることの希少性
「もし洋子さんが地球のどこかで死んだって聞いたら、僕も死ぬよ」 予告にも出てくるこの言葉を聞いて、 あなたの好きな人や恋人、あるいは配偶者を思い浮かべて欲しい。 その人はあなたにとっての全てと言えるのか? いや、多くの人はきっとそこまでの領域には達していないのだろう。 適齢期に焦り、落とし所を見つけ、惰性から目を背けてなんとなく共にいるだけなのではないか? 今、自分が持っているすべてのものの中から、「まだマシ」なものを選別し、なんとなく手に取っただけなのではないか? 十分な言葉を使って他人に説明したとしても、なかなか理解してもらえない自分の思考。 それをほんの少しの言葉とニュアンスからすべて汲み取り、手に取るように理解してくれる聡史のような人。 そして 同じ瞬間に自分とまったく同じ思いを抱く、洋子のような人が目の前に現れたら。 「本能的なレベル」で頭の先からつま先まで互いを理解し合えるような、 そんな2人の出会いは奇跡の出会いとしか言いようがない。 この世界にはこれだけの数の人間が生きている。 きっと誰にとってもそんな「運命の人」は、世界のどこかに必ず存在するのだろう。 しかし「多すぎる」「広すぎる」が故に人生の中で、自分の生まれ持ったパズルのピースに合致する人に出会える運の良い人間は、ごく一握りなのだろう。 だからみんな運命の人との出会いなど待ちきれずに、 少しの惰性を抱えながら生きていく。 そんな惰性に塗れた世の中だから、 この物語の2人を理解できない(理解したくない)という人もいるのかもしれない。 しかし「マチネの終わりに」はそんな人(運命の出会いを待ちきれなかった人)にほどお勧めしたい作品だと感じた。 彼ら2人が瞬く間に恋に落ちる瞬間を観て、 あなたとあなたの隣にいる人の出逢った頃を、いま一度思い返してほしい。 そして「幸福の硬貨」のクラシックギターの音色とともに心絆されて欲しい。 ーーー余談ーーー 数々の恋愛映画を観てきて私は学んだ。 いついかなるすれ違いが起きても良いように、 大切な人の電話番号は双方ともにすでに暗記している。 公衆電話からでもどこからでも連絡できるように。 そんなことしなくても、映画のような大それたすれ違いなど現実にはそうそう起きないのだが。 念のため。 でもその念のためがなにかと大事。
モヤッとするけれど、嫌いじゃない、これ
正直、正直言うと、途中のあの手の展開は苦手 観ていて、本当にイヤな気持ちになってしまうから それでも観なきゃよかった、まではいかなかった 変えられないはずの過去を、未来が変える 劇中で何度となく出てくるこの考え方 ハッとさせられたし、確かにそうかもしれないと思った 過去は、当然、変えられない そのことも変えられない けれど、未来が、未来に起きた出来事が、過去を良くも悪くも変えてしまう そんなことも起こりうると思えた ふたりの選択が間違えだと思うことはとても悲しい その選択の結果が、存在意義を失ってしまうから でも、その選択の果てに、さらなる選択があって、もしかするとその選択である未来が、ふたりの過去を変えてくれる気がする それでもやはり、あの展開は苦手だ
駆け出す
近道じゃなくても、たとえ、遠回りであっても、もう一度…会いたいと思う人はいる。 映画の冒頭で、走り出さないことを指摘されていた洋子が、エンディングに向けて、コンサートに駆け出すところは、メロドラマっぽい対比で、ちょっと臭い演出だったけど、許します。
ネタ元はアンジャッシュのコントか⁈
ラストが絶妙です。 最近観た邦画でこれだけ気持ちよくぶった切った作品って観てないなぁ… ひと言で言えば女(ストーカー)は怖い!って事。 マシャが悪いんだろうけどねw 若い頃と違って焦らない故に起こってしまうすれ違い。 見ていて焦ったい!のは監督の思う壺なんでしょうね。 2人とももういい大人。 激し過ぎず丁度いい塩梅の恋愛映画になっていると思います。
2019年最高の大人恋愛映画
芥川賞作家・平野啓一郎さんの原作は未読で 内容全く知らずに観ました。 印象として音楽家とジャーナリストの恋愛映画で 少し難しそうだなと思っていました。 でも福山雅治×石田ゆり子の豪華共演は見逃せないと思って映画館に行きました。好きなお二人の 共演。 観に行って良かったです。かなり良かった! 音楽家やジャーナリストの苦悩や生き方をしっかり描いているしふたりの距離が縮まりそうで 縮まらない大人の恋愛が綺麗に表現されている。 東京・パリ・ニューヨークな街並みが すごく綺麗でリラックスして癒しの時間を楽しめました。福山雅治さん演じる薪野聡史と石田ゆり子さん演じる小峰洋子。なぜふたりは惹かれあったのか。出会い、悩み、愛した6年。 会ったのはたった三度。 ふたりは惹かれ会っていたのだから結ばれるはず。 結ばれるはずだった二人を狂わせるある出来事…。 ある身勝手な人物のせいでふたりの人生は違う方向に。 しかしまた二人は出会い…。 クラシックギターの演奏が綺麗で恋愛映画だけど 音楽映画とも言える作品。 福山雅治さんが演奏する姿は男の自分からみても 美しかった。 大人の恋愛映画。素敵だな〜。 たった三度会ったあなたが誰よりも深く愛した人 だった--。 愛することに回数は関係ないのかもしれない。 ふたりの最後の表情が心に焼き付いて離れない…。 胸が苦しくなる…。ふたりが辿り着いた愛の結末を ぜひみてほしい。
長い年月に渡る愛!
愛する二人がなかなか結ばれない定番で昼メロってあったけどそれを思い出しながら見てしまった。話が核心に向かおうとすると必ず電話が鳴って二人の盛り上がりを邪魔をする。こんなシーンが3箇所あったような気が。一度目はいいけど二度目からはちょっと、、。ロケは豪華にパリNY。 マネージャー役の桜井ユキがなかなかの好演。勿論石田ゆり子は持ち前の落ち着いた演技が素敵でした。 長い年月に渡る二人の愛、しっかり泣けました。
「私、結婚するのよ?」「だから止めに来た」
はいはい、どうぞご勝手に。だけどそれで迷惑をかけた人間の存在を無しにするなよ。ギターの上手いカッコいい男といい歳のわりには可愛い女だからって惑わされるなよ。運命と思い込んでいるのは当人同士、ただのスカした野郎と罠に落ちた女の話なだけだから。 渡辺淳一とかなら別に気にもしないが、識者ぶってた平野啓一郎ってこんなゲスな本を書くひとだったのか。「過去だって変えることができる」って気の利いたようなメッセージを込めるが、そこには”大いなる代償を伴って”って注釈もつけろよ。それが世間の総意。 だけど仮に、もし、万が一、何かに血迷った自分がそんな関係に迷い込んだとしたら思いっきりそう罵倒していいよ。その覚悟ありきで、この映画をクズだというよ。
心がギュッとなりました
元々原作者のファンで、本作に関しても映画化が決まる前から読んでいた。 自分が好きな作品の実写映画化というものは、なんとも不安なものだ。例に漏れず今回も酷くモヤモヤしていた。もちろん、本には本の、映画には映画のいいところがあるというのは重々承知している。けれど、自分が字を読みながら自分の頭の中だけでイメージしていたあれこれが、いざ目の前に違う姿で現れることは何回やっても慣れないもの。SNSで知り合った人と初めて会う日みたいな、お互い知ってるしすごく楽しみだけど、どんな人なんだろう、ちゃんと話せるかな、なんか不安。そんな気持ちで今回も劇場に足を運んだ。 だがしかし、大抵そういう不安てやつは会ってみると一気に吹っ飛ぶ。そして、会ってよかった最高だったと思うようにできているのだ。僕のこの作品に対する不安は、開始1秒、あの音が鳴った瞬間、吹き飛んだのだった。 大人の恋愛って、10代20代には絶対ない粘り気と濃密さと、そしてなんともいえない優しさがある。苦しすぎるあれこれにも、人生山あり谷ありを経験してきた40代にとっては、それすらも我慢し、飲み込んで、グッと抑えることのできる深さもある。深まっていく2人の愛情はなんともリアリティあるもので、『幸福の硬貨』を聞いていると本当にそういう思いがいろんなところに透けて見える。燃え上がるような青春もいいけど、こういうのも悪くないよなと、鑑賞後、スッと心地よい気持ちにさせられた。 この作品を通して重要なキーフレーズである、「未来は過去を変える」という言葉。普通に生きていれば、人間消してしまいたい過去やしまっておきたい過去の1つや2つや3つ持っているもの。あるときそんな過去が、全く別の表情を見せることがある。ここにきて奥底からそんな顔してくれるなよと、しまっておいたあれこれを見て思う。すごくデリケートで繊細で、じゃじゃ馬すぎて本当に困ったもんだと項垂れる一方で、そんな過去があったからだと、愛おしくて堪らないそれらを見て思う。そんな瞬間を、これから先増やしていける未来に出来ればと。 寒くなってくるこの時期に、主演2人も含めて、街や情景、音楽、食べ物、部屋の感じから何から何まですごくマッチしていたのもよかった。人の縁と愛は、回数じゃないなぁと思った次第。原作ももう1度読み返したい。すごくよかった。
文学的で叙情的な切ないすれ違い
お恥ずかしながら平野啓一郎の小説を読んだことがないが、とても素敵なんだろうね。詳しいわけではないが、第二の辻仁成って感じだろうか。 そのためすごく文学的で言葉ひとつひとつが叙情的で感傷に浸ってしまう。こんなにも切ないすれ違いがあっていいものか。本当に心から好きであればもっと強引にでも行動に移すのではないかとも思ってしまうが、大人な繊細な恋愛とはこういうものか。 本作のキーマンは桜井ユキ演じる三谷早苗。最近引っ張りだこで一気に頭角を表してきた女優のひとりだと思う。 自分だったら三谷早苗には絶対なりたくない。こんな十字架を背負ったまま幸せを求めて生きていくなんて苦しすぎる。 でも本当に信じられる大切なものを守るためには必要な嘘なのかもしれない。 そしてキーフレーズとなるのが、「人はみな未来しか変えられないと思っている。しかし未来によって過去の思い出は塗り替えられていく」。これは救いなのか残酷なのか… じんわり胸を締め受けられる作品。
【”未来が過去を変える・・” 出会った瞬間に恋に落ちた大人の男女の6年に亘る瀟洒な物語を美しいクラシックギターの音色に乗せて描く】
二人の男女の哀切な恋物語である。 出会った瞬間に恋に落ち、ある出来事がきっかけで、すれ違ってしまったまま時を重ねた二人。 が、二人の来るべき明るい未来を予想させる後半のシーンで救われた気になるし、少し涙が滲む。 「幸福の硬貨」というキーワードも随所で実に効果的に使われている。 (映画のメインテーマとしても随所で流れるし、福山さん扮する蒔野が印象的な場面でクラシックギターでリリカルに奏でている) 役者さんでは、桜井ユキさんが難しい役を必死に演じていた姿が印象的。エキセントリックな役が多かった彼女がなあ、と感慨深い。 すれ違う男女の長年の思い、生き様を壮年の名優の域に達しつつある福山さんと石田さんが気品溢れる抑制した演技で魅せる。 〈大人の男女の6年に亘る関係、生き様を瀟洒に描いた切なくも美しい恋物語。ラストシーンは取り分け、心に沁みた。〉
心の底で感じる想いが!
どうしても初日に観たくて、仕事帰りに最終の回で観ました。 単なる大人のラブストーリーではなく、場面場面で自分の心の中で色んな想いを感じました。 途中から、「お願いだから、どうか二人が結ばれますように!」と祈りながら観ていました。 福山さん自身のクラシックギター演奏にも魅了されました(*^^*)
腑に落ちた…
未来が過去を変えるけど、その逆もある。
過去は変わらないけど、感情は変わるということを主人公の蒔野が言っていだけど、今が幸せなら、どれだけ苦い思い出でも許せるし、その時の辛い思い出があったから今があると思えるのだろう。
まさに、蒔野が言ったように「弾けない四年間があったから…」なんだと思う。
一方で洋子はどうか?
過去があったから、未来が変わったんだと思う。その象徴が走っていこること。
ある意味で対極をなした二人が最後に出会う。ここで、どういう結末を考えるかで、その人の充実度が解るでしょ?という映画なんだと思う。大人のラブストーリーとか、そんな上辺の話ではないと思う。作者から「あなたは(今、幸せですか)?」と問われた映画だと思う。
人生は、この後も続く。
その未来が、まさに、今、この瞬間も変えていく。だからマチネなんだ…と腑に落ちました。
解ると思うけど、ソワレがあるということね。
関係ないけど、早苗に怖さを感じたけど、あそこまで愛してもらえるなら、それはそれで幸せかもね…と思わなくもなかった。
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