「蒔野と洋子の沈黙」マチネの終わりに SALLY_talkさんの映画レビュー(感想・評価)
蒔野と洋子の沈黙
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大人の恋愛かぁ、と難しい映画だったらどうしよう、なんて思ってたのに。気持ちがぐっと堪えられず目頭があつくなるし、帰り道には本を買って帰りました。
美しい風景も、羨むような美男美女も、ぜんぶ素晴らしいのだけれど、そんな現実と離れた世界観、どう引き込まれたんだろう?と思い出すと、主役の二人の表情と間だったのかなと思う。初対面の社会人らしい表情から、次第に複雑な顔を見せるようになり、だんだんと沈黙の時間が設けられていく。すると、今二人は今何を思うのか、何を考えているのか、と想像させる。
ドラマでよくあるのは、その場の感情を分かりやすく表現する姿だけど、現実では、内側でパッと強い感情に襲われても相手や周囲を思ったり冷静になろうとしてクールダウンするような考えが現れたりして、感情に任せた反応を表現することは少ない。でもこの映画では、二人の沈黙や表情やシーンで考え込んだり恐怖に襲われたり悩んだりする静かなシーンが生々しく表現されていて、だからこそ観る側も二人に沿って思いを想像し、引き込まれていくのかな。そんな風に思いました。
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