「原作との比較として」マチネの終わりに evie610さんの映画レビュー(感想・評価)
原作との比較として
原作からの変更が最小限に抑えられていて、丁寧に実写化されていてよかった。映画内の描写以外の心情を想像できてしまうだけに、映画単体での出来についてはもはやよく分からない。ただ小説には出来ないいくつかの心理描写としての映像表現はとても巧みだったし、美しかった。
欲を言えば各地の紛争や演奏曲、作曲家についての2人の知的な会話(2人の意気投合として大きかったはず)の多くが削られていたことや、牧野の空白の期間の落ち込み(それを象徴する皮膚病も)があっさりしていたことは、少し残念。登場人物各人の描写のバランスが良すぎた結果なのかもしれないけれど。
コメントする