「石田ゆり子はミスキャスト」マチネの終わりに たこ姫さんの映画レビュー(感想・評価)
石田ゆり子はミスキャスト
原作を読んでいたので石田ゆり子で大丈夫かなと心配しながら見に行ったら、やっぱり残念、ミスキャストだった。
国際的に活躍しているジャーナリストには絶対に見えない。ただ恋する女性でしかない。せめて離婚後に仕事再開の面接を受けるときジャーナリストの顔になってほしかったが、フニャッとしたまま。同じ映画に出ていた板谷由夏が演じた方がまだましだと思った。
反面、福山雅治はよかった。原作の蒔野そのもののイメージだった。彼の心の動きが伝わってくる演技力に驚いた。福山雅治はこんなに役者だったのだとビックリした。
初めて会って心引かれた場面、PCで話す場面、パリを訪ねた場面、どれも押さえようもなく小峰洋子に引かれているのがよくわかった。ギタリストとしての苦悩は映画の構成上あまりなかったが、まあ仕方ない。
石田ゆり子でやるならパリやマドリッド、ニューヨークでロケするほどの映画ではなかったかな。小峰洋子を石田ゆり子がやったので女性側の存在感が薄くなって自立した大人の男女の恋には見えず残念だった。
すれ違いがあって互いに結婚し子供を持ち、(原作では)でもまた巡り会ってしまって、長い時間を経て大人の恋が漂泊して人間として深く結び付く、その読後感が良かったのだけど、映画では恋の成就で終わりにされたみたいで、私としてはうーん!!!だった。
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