「水中毒」マチネの終わりに かぴ腹さんの映画レビュー(感想・評価)
水中毒
ペットボトルやら水道水やら、やたらと水が出てくる。なにかのモチーフ?まあ、煙草をバカスカ吸うよりいいけれど。
結局、福山雅治はなんでギターを弾けなくなったのか?恩師の追悼のためなら回復しちゃう、その程度の病気だったのか?
フランスの映画監督を義父に持つ海外在住のジャーナリストとは、もうその時点で平民の私には鼻持ちならない話。風吹ジュンは長崎に残った蝶々夫人?それならもっとそれなりの絵があったのでは?ただの農家のおばさんになっている。
クラシックが原作者好きなんだね。アイネ・クライネ・ナハトムジークの伊坂幸太郎もそうだけど、男の作家って、自分の趣味を入れちゃうんだよね。クラシックは私も好きだからいいけれど。そういう西洋のハイカルチャーのなかで活躍する日本人という設定、白人から喝采を浴びたり、押しのけて取材したり。昭和の白人コンプレックスにどっぷり浸かって育った私には背伸びと虚栄にしか見えない。
石田ゆり子はフランス語はまずまずだったが英語が下手だった。
「走ると幸せが逃げる」とか言う急がない女がジャーナリストできるだろうか?設定とキャスティングに問題が。
「月曜から夜更かし」で桐谷さんが演歌歌手に会った最初の日に結婚を申し込んで引かれたらしいが、会って2回目で「あなたが死んだらぼくも死ぬ」と言えるのは福山雅治だからか。
カメラ(ウー)マンがけがをして石田ゆり子の家に転がり込んでいるときに福山雅治が訪ねていくのがよくわからない。ギターを弾かせるため?コンサートで弾けなかったその晩にそのカメラ(ウー)マンのために弾ける?訳わかんないし、その前のスープを作る件要るか?キューピーの宣伝?キッチンにもの多すぎるし。
極めつけはすれ違い。
かつてのトレンディドラマ隆盛時代の必殺技。携帯電話の登場で封印されたが、なんと、それをなくすということで復活。大事な日に、大事な人と唯一連絡を取る方法を、よりによって事件が起きて外出するときにタクシーに忘れるなんて、「間抜け」としか思わない。そんなドジな男、桜井ゆきに邪魔されなくたって三行半でいい。
なんだって3時間の手術、いても役に立たない福山雅治がいなくてはいけないのか?木南晴夏の子守の手伝い?なぜ救急にまで、あるいはその後の病室にまで赤ん坊を?いくら個室とはいえ。旦那はいないのか?急逝でもしたのか?シングルマザー?その子育て設定要る?
とまあ、原作の問題なのか、映画化のときにでたゆがみなのか知らないが、これだけ現実離れしたことがあると、どんなに目をつぶりたくても感情移入できない。
桜井ゆきが嘘を告白するときも、贖罪なんだろうけど、「子供が大きくなってきたのに旦那が4年も働かない。離婚してもいいから子供の養育費稼いでもらわないと……」という意地悪なストーリーを考えてしまう。コンサートに来て欲しいんならチケットくらい渡せばいいのに。
そんな散々なストーリーだったが、久々にきいたクラシックギターの音色とともにラストシーンで辻褄があうのが驚き。サントラ、ダウンロードしちゃいました。
福山雅治も石田ゆり子も歩く姿勢がとてもよい。
石田ゆり子、PTSDで過呼吸。福山雅治、桜井ゆきの嘘を聞いて過呼吸。桜井ゆき、福山雅治をニューヨークに送り出して過呼吸……まではいかないか、深呼吸。
金貨最後にもででましたが、なにを買うかキーになるものありましたかね?
T-REX。いい答でした。