「期待値が高かっただけに最悪でした」海獣の子供 Yさんの映画レビュー(感想・評価)
期待値が高かっただけに最悪でした
個人の感想です。
原作が好きなわたしにとってあの映画は、最悪でした。
わたしはもともと原作者五十嵐大介さんのファンです。
連載中から読んでおり、当時高校生のわたしにとってバイブルだっただけに映画のひどさが観ていて辛く感じました。
後半はもはや悔し涙を浮かべながら観ました。
ただ映像は綺麗でした。
観てよかった点は画力の高さ一点のみ。
海の生き物のシーンは大きな水槽をのぞいてるようでした。
また、細かい描写の迫力にも引き込まれました。
話の内容は、途中からガンガン勝手に盛り上がるキャラたちのテンションに全くついていけず…話の説明がひたすらなく、フラグを立てないままフラグ回収だけしていく!という感じ。
キャラ紹介も雑なまま話はどんどん進み、大事なキャラも突然強引に出てくるし、いやだから誰だよ!という感じ。観ているこちらは完全に置いてけぼりです。
足元のアップあんなに何回もいる?とか、食事のシーンにあんなに時間割くならもっと丁寧に話を進めてくれよ…とか。
食事が生物の循環を表しているみたいな意見も聞きましたが、そこだけ?という感じ。
観ながら文句がたくさん浮かんできてしまいました。
また、のっぺりとした俳優さんの声で恥ずかしい感じのセリフを次々に読まれて…もう早く終わらないかなあと思ったほど。
せめて、声が全員プロの声優さんならもう少しすんなり受け入れられたかもしれません。
芦田愛菜さんの声ですら、独特なまなちゃん口調が気になってしまったほどでした。
真剣なシーンもなんだか面白くて、何度も笑いをこらえてしまいました。
原作はもっともっと丁寧で、実際に語り継がれる民話なども織り交ぜながら話が進むので、とてもリアルでどんどん引き込まれるつくりになっています。
結末も全く違います。
映画のような謎のアニメ感の強い終わり方ではないですし、エンディングの後のとってつけたようなシーンも、もっと繊細に描かれています。
というか最後あんなに、ハッピーだね!おわり!みたいに終わっておいてエンディングの後に更に話を続けるの、なんだかとても往生際が悪く感じました。
原作は本当に面白いのに、映画でたくさんの人に海獣の子供という作品を誤解されたんだな…ということがひたすら悲しいです。
あと、ラジオのアフターシックスジャンクションで宇多丸さんが絶賛していたのもあって、めちゃくちゃ期待値上がっていました。
もう宇多丸さんが信用できない…。
観たことで色々なものを失った映画です。。