「圧倒された。「絵」の素晴らしさに。」海獣の子供 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒された。「絵」の素晴らしさに。
宇宙の誕生、銀河や星々や物質や生命の誕生と死。生成と消滅と再生の物語が、この宇宙の歴史である事にイマジネーションを得、地球上の生物に関する諸説をエピソードとして織り込んだ、幻想紙芝居。
トゥレップを先に観といて正解だったと思います。あまり深読みせずに映像世界に心地良く浸っていれば良いと思う。
画期的な映像表現をたたき売る二時間のアニメーション。良かった!
久石讓さんのピアノだったんですね。この世界観に合ってて素晴らしかった。
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7/2 追記
瑠花が宇宙を巡るシーンが、手塚治虫先生の「火の鳥」だった!
宇宙は私たちの身体の中にもあるのだと、鳳凰が主人公を体内から宇宙に案内するシーンを映像で再現!あれ、何編だった?押し入れから「火の鳥」引っ張り出さなきゃw
尚、地球上の生命の起源は「隕石によってもたらされた説」の理解は必須かと。ビッグバン後、膨張を続ける空間は無重力・無物質のラボ。そこで起きた素粒子・原子・量子のドラマは、私たちの知識も想像も到底及ばない世界の出来事。「空間」で生成された「生命の起源」は地球の半径よりも「遥かに小さな何か」と共に地球へ到達した。と言う説。
空は空間。生命の元になる物質が生まれたところ。海は地球上の生命をはぐくんだところ。その二つを時空を超えてつないだものの象徴が「隕石」。(時間は重力によって生じた空間の歪説が、あの海と琉花が空間を巡るシーンのバックにはあると思います)
原作は未読ですが、面白かった。むしろ原作を知らなくとも、私みたいな類の人間は、無茶苦茶ハマること間違い無しです。
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7/5追記
皆さんのレビューを見ていると「生殖」に言及される方が少なからず居られて戸惑っています。
ものすごくザックリと言うと、地球上の初期の生命は、活動に必要なエネルギーを自分で作っていたか、作らなくても生きて行ける代物でした。要するに単細胞から始まっている。ある日、他の個体を自分の体内に取り込んでエネルギーにしてしまうものが現れた。高エネルギーを得た個体は、活動的に動き回り他者を圧倒していきます。こうした「捕食」の始まりが、進化を爆発的に加速させたと考えられています。
地球の生命の歴史上、雌雄が発生したのは「最近」の事です。捕食の開始は、結果として、生き残りの為の選択性優勢遺伝を誘発しました。弱肉強食に勝つ為に有利な特性だけを遺伝して行く事が、雌雄を別体にする事で可能になるからです。雌雄別体は優勢遺伝の為の生存戦略、しかも最近始まった。また、いつ終わらないとも限りません。
隕石が雄体、海が雌体と想定することも可能ですが、生命の発生時には存在しなかった雌雄を暗喩的に取り上げるかなぁ、と思いました。
トゥレップの中でも触れられていません。
皆さんが「生殖の暗喩」ととらえられている箇所は「時空を越えた生命の旅」って感じじゃないかと思いました。言い方を変えると、地球の全生命をOne is all視点で見ると、「生殖」って小さい話。個体の生命そのものが、なんでも無いモノ、なのだから。
「時空を越えた生命の旅」は、いい響きですね。
僕も「生殖の暗喩」とは感じませんでした。「母なる宇宙=生命の源」を感じる旅だったと思います。僕自身も瑠花とシンクロして完全にトリップ状態で、それを体験しました。
頭ぐっしゃぐしゃになりました。とりあえず芦田愛菜ちゃんには完全に脳みそ負けてます(笑)
そういえば子供の頃、プラネタリウムに行ったり皆既日食を見たりしても、心躍らない子供でした。宇宙とか行けないし、だったら外国に行きたいって言うひねくれガール(現実的)でした😂😂今はもうちょっと興味ありますけど、まだ足りないなーと痛感しました。