「色んな楽しみ方ができる映画です。」海獣の子供 和紗さんの映画レビュー(感想・評価)
色んな楽しみ方ができる映画です。
号泣しました。
五十嵐大介さんが好きすぎて、結婚祝いに全作品を懇願し(断捨離ストなのに)、好きすぎてファンレターが書けず、生きる希望といっても良いくらいで(笑)映画化をどれだけ望んでいたか…!普段泣かないのに人生で初めて、映画開始すぐに泣くという謎の行動をとってしまい、号泣して、隣の人ごめんなさいって感じでした…(汗)
私は人が作った世界がどうにも生き辛くて、最近悩んで子を産まない選択をしたんですけど…。小さすぎる命を授かった経験もあり、その時の愛しい、世界の何かに少しだけ触れたような気持ちを思い出して、涙が勝手に出てきました。「私も大きな流れの一部なら、それもちっぽけな悩みなのかな。こんなに綺麗な世界があるなら、見せてあげたいな」と少し勇気づけられました。
心理カウンセリングで、自殺念慮がある人に、遺伝子の話をして「あなた一人の身体じゃない」と伝えることがあるそうです。私は私一人の身体のようで、遺伝子にはおびただしい生命がいる、人が、魚が泳いでいる、手の皺の1つをとっても命の軌跡がある…のだけれど、よく忘れてしまいます。
私はこんな感じで強く反応しましたが、この映画、色んな楽しみ方が出来ると思います。
「わからない」って言ってる人がたくさんいるけど、わからないことを描いてる気がするからその意見が一番正しいのかも…?(笑)
でも本当にどんな楽しみ方もありそう。というか、あんな作り込まれた情報量の多い映画、一回じゃ受け止めきれない!(笑)
風や潮や雨や土や光や緑を五感で感じられる気がして、気持ち良かったし…夏に上映最高だし、海に行きたいし、旅行きたいし…!どこを切り取っても一枚絵になる映像美、雰囲気ありすぎの、作り込まれた郷愁感のある風景、たまらない色彩…
冒険みたいなドキドキワクワク感あるし…!食べ物がやたらうまそうだから映画後に海鮮食べまくったし!!プラネタリウム感覚やヒーリング映像みたいにリラックスして安眠のために観てもいいし。久石さんも米津さんの音楽も頭から離れなくて明日早いのにカラオケ行っちゃったし。
考えさせられる面白い詩的な台詞が散りばめられているけど、漫画と違って映画は流れが早くて反芻する暇もなく、下手したら思考を宇宙に放り出されそうになる言葉が流れるように出てくるから「あっもう考えずに感じよう!」となりました(笑)
前半、静かに語るところが割りと長く続いたと感じたのですが、その静寂があったから後の盛り上がりが際立った気がしました。迫力凄かったなぁ…3Dでも観たいです。観に行こう。
映画は商業で、はっきりしたカタルシスがないと嫌な人もいると思います。ただ時間や数字や言葉で忙しなく頭を動かしている現代で、この作品は大切なんじゃないかなぁ。
私には、とても大切な作品です。DVDを買って、何度も何度も観たいです。
本当に、ありがとうございました。ずっと応援しています。