「視点が高く、視野は限りなく広い」海獣の子供 やまちょう07さんの映画レビュー(感想・評価)
視点が高く、視野は限りなく広い
最近、鑑賞すべき映画を選別する際に、大手レビューサイト(ここも含めて)の評価を参照する癖がついてしまっています。
駄作に出会うことを事前に回避する方法論としては時間とお小遣いの節約という意味で大変効率的と思い込んでいましたが、この作品はそのメソッドでは出会えなかっただろうことを思うに、今後は根本的に考え直すしか他ないと思いました。
会社帰りの偶然の思いつきでの鑑賞であったけど、こんなとんでもない作品とは思いませんでした。
表題にある通り、この作品は私たちが日常見る世界とはまるで視点や視野が違っていて私も含めて、普段ぼーっと生きている感度の鈍い人間にとっては受け入れ難く、最初は理解することは大変困難と思います。
しかし物語が進行するにつれ、まさに波に洗われ風に吹かれているうちに自然と塵やゴミが除去されて、感度が高まります。目や耳だけじゃなくて身体全体が受容体として機能し始めるイメージです。
鑑賞後、なんともいえないホカホカした感じが持続したのが記憶に新しいです。
皆に観ていただきたいのだけど「1つの問いに対し、たったひとつの正解しかない」・・・という価値観を持つ方には正直おすすめ出来ないかなと思います。なぜなら、冒頭から1000の答えを雄弁に歌っている様な作品だからです。
最後に。私はゲストとして末席を汚せて本当に幸せです。
では。
> 最近、鑑賞すべき映画を選別する際に、大手レビューサイト(ここも含めて)の評価を
> 参照する癖がついてしまっています . . . 今後は根本的に考え直すしか他ないと
> 思いました。
素敵な感想です!
レビューは「能動的に利用する」と良いんだと思います。まず、星の数は忘れて、「〇〇のような言い方で△△って言われているところをみると、この映画は□□何じゃないだろうか」みたいに。
『海獣の子供』のこの感想欄でも、いろいろな人のレビューを比較すると、「なんだかよくわからないけど、凄そうな映画だ」という推測が出来るのではないでしょうか。特に、低評価の人と高評価の人の感想を比べると、低評価の人が何を見逃しているかが推測できたりすると思います。