「夏、初恋、神話、神秘、そして大人へ」海獣の子供 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
夏、初恋、神話、神秘、そして大人へ
米津玄師さんの主題歌は圧巻。久石さんの音楽も素晴らしい。
少し盛りだくさん過ぎて、食傷気味の人もいるように思う。哲学的な印象もあるが…。
ただ、僕は、家庭にちょっとした問題を抱え、部活にもなかなか馴染めない少女・琉花の、一夏を通して、成長する姿を描いた作品だと思っている。
夏になると、なぜか七不思議が気になったり、ムーを読んでみたり、世の中の神秘を探してみたり、星空を見上げて宇宙に思いを馳せたり、少年や少女の気持ちは結構ざわつくものだ。
そして、気になる異性が現れたりと…。
海を舞台にした冒険ファンタジーで、絵も個性的・特徴的で本当に美しい。
琉花が助けられたのは、南硫黄島の付近だろうか。
南硫黄島は岸壁が人を寄せ付けず、3万年も人の手が入らない動植物の進化が観察される世界的にも珍しい島だ。
最後に、一番の神秘として描かれるのは、生命の誕生だ。
琉花は、臍の緒を切り、母親から生まれた新しい命に触れ、大人に一歩近づいたのだ。
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