劇場公開日 2018年8月31日

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「台詞なしで十分楽しめるアクション名シーン」マガディーラ 勇者転生 satoyukiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0台詞なしで十分楽しめるアクション名シーン

2022年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 ラージャマウリ監督の『バーフバリ』が2015年製作、こちらは2009年の作品だが、『バーフバリ』の成功に乗って2018年に日本でも公開されたらしい。

 主演のラーム・チャランは、公開当時24歳、撮影時は22、23歳くらいなのかな。

 前世シークエンスは全て面白かった。絢爛豪華な舞台や衣装も目を引くし、ストーリーも分かりやすく、アクションも素晴らしい。

 やっぱり見せ場は「百人斬り」のシーン。この迫力と切なさが、作品冒頭のシーンに続くのだが、この一連の部分なら5点です(笑)何回も観たくなる。
 チャランのアクションも素晴らしく、腰が据わっているというか、とにかく動きが美しい。彼は優れたダンサーでもあるので、やはり関係あるのだろうか。
 余談だが、肉弾戦アクションで「本当は弱そう」に見えてしまう俳優さんがいることも否めない。
 チャラン氏のアクションは、美しくて、説得力があって、飛び道具、台詞なしでもシーンが完成されるように思える。

 転生後の現代は、コメディー調でエンタメ的にバランスを取っているのかもしれないけど、少し自分には冗長に感じた。バイクの大会シーンは要るのかな。当時の若きスター、ラーム・チャランを見せる為だけのよう。ダンスなど楽しめもするけど。
 ダンスと言えば、チャラン氏の実父であり往年のスター、チランジーヴィ氏もゲスト出演。実の親子が絡む、ファンへのサービスシーンだ。バイクシーンの一部なのだが、度肝を抜かれ笑えるので必見。いや、インドの俳優さんはみんな踊れて凄いなぁ。

 ただ知らない人が見たら、何なんだか意味不明だろう。
 インド映画があまり好きではないという人がいる、その理由は、このような「身内ネタ」が多いことも一つだと思う。

 ダンスが多用されるミュージカル仕立て、歌舞伎のような演出の独特の型など、それが良さでもあるけれど、観客が世界規模で集まるようになるにつれて、そのような部分は少なくなって行くのだろうと思う。『RRR』を観てそう思った。
 上手く良さを残した楽しい映画を、今後も楽しみにしています。監督、俳優さん、スタッフの皆さんに感謝です。

 ちなみに当作品の予算は、インド映画当時最大の約9億円とのこと。
 13年後の『RRR』は約97億円。その差は、技術進歩の差と共に、歴然と画面に見られた。

 プリンセス役のカージャル・アグルワールも良かった。
 何だか長くなってしまいましたが感想です。

mizutama