ヒトラーと戦った22日間のレビュー・感想・評価
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今だからこそ、知るべき史実
改めて、どこまでも残酷になれる人間の恐ろしさを感じた作品だった
第二次世界大戦でソ連側にあったソビボル絶滅収容所(ユダヤ人を絶滅させることを目的に作られた収容所)で起きた実話の映画化
この映画の試写会は、ロシア大使の方と、イスラエル次席・公使からのご挨拶から始まった
その中で「最近の世界情勢として、ネオナチの台頭やデモ行進が増えている
しかも、この映画の舞台となった地域、ウクライナ、ラトビア、ポーランドで増えている
そういう時代だからこそ、いま一度、私たちは、この当時に起きたできごとを知るべきなのです」というお話があった
そう言われてみると、毎年のように、ナチスドイツや、ホロコーストを描いた作品が作られている
それは、私たちが、その時代に起きた事実を軽んじ始めていて、あの時、なんの罪もなく殺されてしまった人々がいたという真実が薄れつつあるということなんだろうと思った
だからこそ、しつこいぐらいにホロコーストやナチスドイツを描いて、少しでも多くの人の心に届けることが、とても大事なことなんだと思った
ナチスドイツが行なっていたホロコーストの中で、ユダヤ人絶滅のために作られた施設である絶滅収容所の中で一番有名なのは、アウシュビッツである
この映画の舞台であるソビボルは、そのアウシュビッツよりもソ連側にあった収容所であり、収容されていたユダヤ人たちによる反乱と、脱走が起きた収容所だった
そのナチスドイツのユダヤ人に対する扱いの酷さは目を覆いたくなる
それを見ていると、世界中の人種の中でも、優秀な人種などいないことがわかる
もしも、本当にドイツ人が優秀ならば、他の人種を下に見ることはないだろうし、絶滅させようと虐殺することもないはずだ
それに加え、彼らに与えられた権力が、彼らをより残虐にしていく
その所業は、とても人間とは思えないものだった
人間は一旦タガが外れると、どこまでも残酷になれるんだなと思った
しかし、その中で希望となるのは、なんとしてでも生き延びようとするユダヤ人たちの強い意志だった
権力を持った人間がどこまでも残酷になれるように
「生きたい」と強く願う人間もまた、どこまでも強くなれるのだ
後半は、涙なしには見られなかった
とても月並みなことしか言えないのが、とてももどかしいけれど
私たちが、このような悲劇を二度と繰り返さないためにも、この事実をたくさんの人に知って欲しいと思った
ソ連側に絶滅収容所があったのも、そこで反乱があったのも、私には初めて知るできごとだった
そういう勇気ある人々がいたことを知れただけでも、とても意義があり貴重な作品だった
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