凪待ちのレビュー・感想・評価
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救われる・・☆
香取慎吾演じる郁男。半ばまで とことんなダメ人間で
どんどん転落していく。
本当にウンザリするくらいに。
それに絡む人間もほとんどの人が行き詰まり感満載で
救いようのないエピソードが溢れて暗いため、途中までは
失敗したかな・と思うのだが 後半から目が離せないほどに
引き込まれ、最後はあぁ、救われたと思える。
どんなにダメでも誰か許してくれる人、信じてくれる人、もしくは
優しくしてくれる人が居れば良いのに。
それは、夢物語かもしれないけど。
リリーフランキー、大好きな役者さんですが 今回は途中から
何だか中途半端で この役は彼でなくても良かったのでは⁈と
思ってしまった。
香取慎吾は 頑張ってるなぁ・・っ感じ。
「半世界」の稲垣吾郎もそうだけど、SMAPのイメージを
抜け出そうといているのだろう。
吉澤健さん、申し訳ないけど初めて注目しました。
素晴らしかった。
彼の存在そのものが、物語の救いになった。
こういう映画は、受けないかもしれないけど、香取くんを
見るためではなくて、「映画」を見にいって欲しい。
少し侮辱的
映画としても震災を扱った映画としても星5つ
最高でした!
本当の優しさって…
この映画を観た友人が、あんな人 映画だから助けてくれる人がいるだけよ!とえらく憤慨していたけれど、私はちょっと違うと思います。自分の弱さ、愚かさを知っている人は本当に優しい強い。
そういう人って多くを語らずとも、同じ傷を持つ人にはテレパシーの様に、その優しさが響き伝わるものだと感じます。だからこそ、手を差し伸べてくれる人がいて、どんなに理不尽でも、人生を変えてはくれないけれど、寄り添ってくれる。イクオの人生は極端かもしれないけれども、津波で全てを失った石巻の方々の生活とがリンクするようで。あそこまで復興できたのは、同じ痛みを持った同士の優しさと強さではないかと思いました。日々の生活と仕事に追われ、下を向きかけていた私に、もう一度頑張ってみよう!と、静かな勇気を与えてくれた作品でした。そして何より、慎吾ちゃん、ブラボーでした!
人はどこまで転げ落ちるのか
失うことで得るものもあると信じたい
ノーマーク作品でしたが、評判がよさそうだったので、映画の日を利用して鑑賞してきました。スロースタートで序盤はじっくりと登場人物の人となりを描いているのはいいのですが、やや退屈な印象を受け、この作品のどこがそんなに良いのかと疑問を感じました。しかし、物語が大きく動き出すと様相は一変し、話の先が気になってしかたなく、いつのまにか作品世界に吸い込まれているようでした。
というのも、ギャンブル依存のキング・オブ・クズの郁男から目が離せなくなったからです。自暴自棄になっていく彼の様子に胸が締め付けられるようで、物語がどこへ向かっているのか、どのような着地を見せるのかが気になりました。ひょっとしたらなんのオチもないまま終わるんじゃないかとさえ思えました。
しかし、終盤で、暴力団の軍司、勝美の漁船、美波との関係などの伏線を回収し、郁男の変容が見て取れ、涙腺崩壊。やられました。主演の香取慎吾さんは、不器用で弱い男を迫真の演技で魅せ、娘役の恒松祐里さんも郁男を慕う思いが見え隠れするいい演技でした。中でも秀逸だったのは勝美役の吉澤健さん。彼のいぶし銀の演技がこの作品を重厚で見応えのあるものにしていると感じました。
本作を鑑賞して、何をしてもうまくいかない、苦しくつらいことばかりの日々でも、それが新しいものをもたらすこともあると信じたいと思いました。郁男に訪れた新しい家族の絆が、荒れ狂っていた彼の人生に穏やかな凪の日々をもたらすことを願わずにはいられません。それは美波にとっても、勝美にとっても、石巻で暮らすすべての人々にとっても同じです。勝美の言葉「津波のせいで海がだめになったんじゃない、津波のおかげで新しい海になったんだ」が今でも胸に響いています。
頑張りは認めるが・・
再生という意味で、一月に見た「夜明け」に
似ている、が、こちらの主人公は、ギャンブル依存で、そんな自分に苛立ちを抱えいるとんでもないクズ野郎である。
家族の金を盗みギャンブルにつぎ込む。やめようとして、住む場所を変え、日々の生活を変えようとしている。
中年の身体付きになった慎吾は、クズ野郎を頑張って演じている、が、しかし彼自身の?人の良さなのか、こちら側の感じ方なのか、全くのワルになり切れない優しさが残っている。ま、だからこそ、ギャンブル依存のクズ野郎にでも、見捨てずに温かな手を差し伸べる人たちがいるって言う設定なのか!?
そんな点て、リリーフランキー演じる役回りは、いったい何なんだろう。とても中途半端で、映画としての説得力が無いところが残念。
クズだけど、、
優しさの痛さ暴力の哀しさ
郁男という人物を真摯に丁寧に演じ、繊細な感受性で受け止め、30年培って来た実力と才能で表現している香取慎吾君。
どの作品でも彼の演技力は高く、純粋にその役に同化してていて好感を持っていた。
本作では白石監督の実力によってより深く激しくその演技力をさらけ出されたと思う。
また彼に降りかかってしまったSMAPの悲劇、深い傷を負った後でもあり、悲しくも一層深みが増したと感じる。
暴力を振るうほど哀しさが深まり、どうしようもないろくでなしでもその心根の優しさに人は優しさで応えてくれる感涙の映画。
(震災復興の人々に寄り添ってもいる作品であるにも拘わらず、在京キー局は完全にスルーしている状況に怒りを通り越して呆れるし情けない)
前に進むことは容易じゃない
これでもか、、というほどサイテー続き。こうなると何度かチャンスがあっても前に進むこと上を向くことは容易じゃない。ずっと「どうか・・」と祈りながら観ていた。
大馬鹿で本当にどうしようもない郁男。でも、性根は優しい。だから見捨てられない。大きな背中なのに、後ろ姿は不安げで小さく感じる。
伏し目がちな表情から、ギャンブルが絡む時、殴りかかる時、一変する表情は狂気が入り交じって怖くも、ドキドキしてしまう。
予告編を観ると乱闘シーンばかりに感じるが、実際はそんな暴力的な印象は薄い。そういったジャンルが苦手で敬遠する方がいたら勿体ない、良い映画。
宮城県石巻市が舞台。エンドロールまで多くの方々に観て欲しい映画でした。
白石監督のヒューマンドラマ
人生ドツボの時は誰にも…
白石和彌 監督作品だから、どんだけバイオレスで、ろくでなしの男を香...
白石和彌 監督作品だから、どんだけバイオレスで、ろくでなしの男を香取慎吾 が演じるの?と思っていたけど、深い所では、優しさや愛情をちゃんと持っていて知っている、ろくでなしでした。
堕ちる所まで堕ちても、帰る所があるのが救い。
リリーさんは白石作品での「やはりね」と思う安定の役どころ。
郁男(香取)が、よれよれのシャツを着て大きな身体を震わせながら泣きじゃくる姿は、たぶん一生忘れられない。
そんなシーンも含め「今まで見た事のない香取慎吾」とあるけど…そうかな?
確かにパブリックイメージとは違うけど、闇を感じる部分は、ずっと前から彼にはあった。
「演じる事は苦手」と言っているけど、この作品で役者として1段上がって、転機にもなったはず。今後が楽しみです。
黒慎吾ちゃんを前面に引き出してきた白石監督が凄いんだな、きっと。
平日夜に見に行ったせいか、めずらしく男性客も多かった。やはり白石作品だからかな。
個人的にも40歳以上の男性に観て欲しいな、と思う。
今年もまだ、12.3本位しか映画観れていないけど、間違いないなくmyベスト1。
香取慎吾はコメディーの方が似合うかも❗
優しい気持ち
主演の香取慎吾さんは「人の優しい気持ちが痛い」と表現した。
友人だから、好きだから、好きな人の大切な人だから、家族だから。
縁があった人との関わりの中でつながる「優しい気持ち」。
ギャンブル依存のろくでなしが、掛け違えたボタンを直せないままろくでもない行動で闇に引きずり込まれる。
そんなろくでなしでも、一人で生きていたわけではなく、人生の中には「縁」があるのだなと心に染みた。
私の一番好きな映画はずっと「バベットの晩餐会」だった。
この映画は「優しい気持ち」が物語からにじみ出るように溢れている。
ストーリーの運びも出演者も、派手さは全く無いのだが、「優しい気持ち」はきらきら輝き、そっと宝石箱にしまいたくなる。
映画にちりばめられたサイドストーリーのようなさりげないエピソードで登場人物と関係性が想像でき、
説明しすぎないストーリーの運びも秀悦で、「映画を観る」楽しさを気づかせてくれる映画だ。
「凪待ち」も「優しい気持ち」がにじみ出でている。
この映画の「優しい気持ち」は宝石の輝きというよりは、大切な原石を見つける感覚。磨かれたものではなく「不偏の貴石」。
だれしも「優しい気持ち」を持ち合わせているがその気持ちをいつどうやって使っているのだろう。
一つ一つのシーンは丁寧に紡がれ、登場人物の人となりや性格すら感じさせる。
語りすぎないのに、シーンにはない登場人物の物語までも知っている感覚になる。
人生は山あり谷あり。今がどん底で、そのどん底をなんとかやり過ごすことができれば、次はもうどん底ではなくなる。
生きていること、縁のある喜びを感謝に変えて「優しい気持ち」を持ち続けたいと思う。
この映画は石巻の海、街、人々、だからこその空気感の厚みを感じました。
慎吾ちゃん。この映画で郁男になってくれてありがとうございます。
おかげで、私はこの映画を観る機会を得て、一番好きな映画が2つに増えました。
忖度なしに
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