凪待ちのレビュー・感想・評価
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闇堕ちからの再生物語
ギャンブル依存症の郁男が恋人の亜弓とその娘と共に亜弓の故郷に移り住む。ギャンブルから足を洗い、まともな生活をすると誓ったはずが、ふとしたことからまたギャンブルにのめり込んで行く。
そんな中、母娘のちょっとした口論で遅くまで帰らない娘を探して街に出るが、亜弓に罵られたことに腹を立て、亜弓を置き去りにしてしまう。
無事に娘は見つかるものの、亜弓は誰かに殺され遺体となって発見される。
そこから始まる郁男の喪失、葛藤、闇堕ちからの再生の物語。
郁男を演じた香取慎吾さんがクズ男を静かな演技で演じられており、いつもの慎吾ちゃんは全く居ませんでした。
正直犯人は何となく予想ついてしまったし、何となくの想像はつくけど最後まで犯人の動機は描かれません。
見終わってそれを踏まえた上で、このメインビジュアルのポスターにあるキャッチコピーの、「犯人は誰なのか?なぜ殺されたのか?」はあまりこの映画にハマらないような。。
そこがストーリーの中心に確かにあるけど、この映画の本質ではない気がします。
とりあえずギャンブル依存は闇しかないと再認識。
ラストは光が見える終わり方で後味は悪くなかったですが、細かいツッコミどころも否めないので星は三つで。
評価高すぎ
香取慎吾、良かったですか?
私にはあゆみが惚れてた理由も、娘があそこまで懐く理由も、なんだかんだ周囲に助けられる魅力も、彼から感じ取れませんでした。。リリー・フランキーの動機は…?
主人公が違う役者だったらまた違ったのか、作品自体の問題なのか。(脇を固める役者たちはよかった!)
『凶悪』とか最高だっただけに、かなり残念でした。
凪を待つのも大変だ。
最初、物語の重さに対して香取慎吾の可愛らしい声が
合ってないような気がしたけど、
厳つい人が全員ドスが効いてる声かと言うとそうでもない
よな。と思うと逆にリアルに思えて来た。
もはや元アイドルなんて感じさせないギャンブル依存症の
男がそこにいた。
ギャンブル依存症ではあると思うんだけど、
罪の意識から自分を痛め付けてるようにも感じた。
何度か大金を手にして抜け出せるタイミングはあったと思う
けど、敢えて楽な道を行かないために多額の金を掛けてる
ようにも思えました。
誰が殺した?何で殺した?と言うのは本筋のテーマから
外れてると言うか分かりきってるような気がしたけど、
結局男たらしと言うか、男をダメにする女だったのかな?
と思う。
美容室を開くための金の出所とか想像だけど、
好意を利用してたんだなぁと思いました。
失敗を繰り返す男に救いの手を差し伸べる。
見捨てないと言うのは、今日の芸能人に対しての
我々世論に対する監督の意志なのかなと思うのだけど、
美しい行為のように思ったけど実際難しいよな…
アイドルのままだったら見れなかった作品なのかな?
と思うとワクワクしました。
全てを呑み込んで
言ってる事とやってる事が上手く噛み合わない登場人物たちの行動に晴天の霹靂な事件。
それがご都合主義ではなく、きちんと裏で抱えていたモノが明らかになり繋がっていく展開が素晴らしい。
それでも疑似家族礼賛ってどうよと思いながら始まったスタッフロールの映像。
劇中では震災をさほど主張しなかったのが、二回目の視聴ではガラリと違って見えた。
異常なまでの周囲の優しさ
主人公郁勇が本当にダメな人間。それは誰がみても明らかなほど救いようのないギャンブル中毒。
そんな主人公をそれでも助けようとする周囲の人間の優しさが際立つ。
さらにこの映画はめちゃくちゃ助けてくれた近所のおじちゃんが真犯人というオマケつき。
リリーフランキーは普通の優しいおじちゃんも毒のあるサイコパスもどっちも演じられるからすごい。
金を盗られるシーンが印象的!!
舞台設定が良く、最後まで引き込まれます。主人公が主人公らしくなく、頑張っているのにうまくいかないという主人公の方が共感を得る事ができたと思います。香取君だと生まれつき精神障害があるような印象でした。事件が唐突過ぎて、その後は何も語られず消化不良でした。金を盗られるシーンは印象的でした。恒松さんの声が可愛かったです。面白くなりそうなのにまだまだ物足りず、勿体ない映画でした。
爺ちゃん、かっけぇ
誰が殺したのか?なぜ殺したのか?
リリー・フランキーが不気味な存在感でサスペンスの程で観ていない分、あんな事が起きてしまいこれからの物語の進み方に興味の持続を保ちながら。
自分はまともでお前らとは違うと上から目線がどこかにあるようで所詮は抜け出せないギャンブル依存症、それ以外は酒と悪態が少々、自分から悪い事をしている訳でもなく周りの環境が宜しくない反面、面倒見が良い他人ばかり。
そこに甘えながらも情けない気持ちと申し訳なさが膨らみ、静かに危なっかしい行動ばかりでハラハラさせられるが、香取慎吾は香取慎吾であり白石和彌の世界観でイメージは覆される。
バッドエンドではないがハッピーエンドでもなく、でも普通に生きて行く為の希望がある終わり方、皆誰だって劇的な人生を歩む訳ではなく、波乱万丈があっても待ち受けていても、最後は普通に生活する為の一歩が踏み込めればそれで良い。
人間の本質を問う。
感想
本作はミステリーとしての内容よりも、郁男の更生がメインになっていました。ギャンブル依存症でありながら、根は優しい彼の周りには優しい人たちが自然と集まってくる。でも、本人は自分をクズだと言い人々から距離を取ろうとする。この心のすれ違いに観ていて胸が苦しくなりました。確かに、郁男は間違いなくダメ人間です。しかし、優しさを秘めていることも知っているのでその点で嫌いになれないのです。そんな難役を演じきった香取くんには脱帽です。アカデミー賞主演男優賞をあげたいほどに引き込まれました。素晴らしかった。他にも、ご近所さん役のリリー・フランキーさんの優しいおじさん感の自然さにも圧倒されました。
観て良かったと思いました。
しかし、今作の殺人を誰がしたのか⁈という部分はすぐに予想がついてしまったのでその点では楽しめませんでした。
総評
香取くんの新境地を観れる傑作。人に好かれる条件とは何なのだろうと改めて考えさせられた。
辛そうで甘い凡作。
主人公のブチ切れに振り回されっ放しのシナリオに飽きて幕。
だけどナイスガイに踏み留まって堕ちきらない元SMAP俳優。
本筋と遊離した殺人事件の取って付けた感。
辛そうで甘い凡作。
尤もらしいが。
痛恨の期待はずれ
全くの期待はずれ。
白石監督だから…と見た人は落胆するはず。
訛りも含めてツッコミどころは多々あるけど、
とにかく何を描きたいのか分からない作品だった。
あえて言うなら、香取くんのためにギョーカイの人が頑張りましたみたいな。
その香取くんも結局アイドルから脱却できないまま終わったように思う。キャラクター描写のせいもあるだろうけど、不自然にカッコつけすぎなんだよ。
ギャンブル依存にしてもキレやすさにしても、なんの裏付けも感じられないから薄っぺらい。
ただボソボソ喋るクズ男が、周りのやけに優しい人たちに支えられてクズであることを受け入れましたっていうファンタジー。
最後にひとつだけ。リリーフランキーについては痛恨のキャスティングミスだと思うなあ。出すにしてもノミ屋にしとけば良かったのに。
歪み…
人生は歪みの連続。登場人物達は震災、DV、離婚、いじめによる不登校、ギャンブル依存症などの歪みが連鎖していき、やがて殺人に至るまで、大きな歪みヘと変化し、抜け出せない状況になっていく。次の展開はどうなるだろうと、胸をずっと掴まれているような感覚で引き込まれた。人の親切を無にし、ろくでなし、いや、人でなしの香取慎吾をどうして、そんなに助けるのか、良い人過ぎるリリー・フランキーは、やっぱり怪しかった。逮捕された時の犯罪者としての表情の変わり様が凄まじかった。そこで終わるかと思いきや、最後は再生していく、そんな展開にならないと思っていた。普段は普通なのに、金を見ると人間で無くなるギャンブル依存症は、死ぬか、医師による治療が必要な病気だ。この映画で本当に恐ろしいと思い知った。。
痛い。。突き刺さるように痛い
香取慎吾さん主演のこちらの映画。
白石監督という事で、僕は最初から期待して観ておりました。
もちろん、白石監督作品の中で香取慎吾さんがどのような演技を見せてくれのかも楽しみにしながら。
結果はもちろん面白かったです。
特に主人公がどんどんギャンブルにのめり込んだいく姿は、破滅に向かっていって、とても痛く見ていられないほど。
個人的には香取慎吾さんはもっとポテンシャル高いと思っておりますが、ぜひまた白石監督とタッグを組んで欲しいです。
(もちろん今回の演技も素晴らしいです)
あとはやっぱりリリーさんは素晴らしいですね。
白石監督作品の常連さんですが、今回も存在感抜群でした。
凄く痛い作品ですが、泣きどころもあり、映画のクオリティは高いです。
エンドロールも秀逸でした。
あまり期待していなかったけど、結構良かった。 良いタイミングで展開...
あまり期待していなかったけど、結構良かった。
良いタイミングで展開があって、観やすかった。
優しいリリーさんは、超怪しい!(笑)
なかなか凄い映画でした。
私は、ギャンブル依存症者の気持ちが多少理解出来るので、ギャンブルにのめり込りこんでしまい、その先自分の力ではどうしようもできない状況にまで突っ走ってしまう香取慎吾ちゃんの姿はとても理解できました。ギャンブルって怖いね。
でも、その背景には心の空虚感、愛情の欠如、人生への執着心の無さ、みたいなものがあるわけで、単純にギャンブル依存症だからこの人はダメと描かれている映画ではないところがスゴかった。とても考えさせられました。
そして、エンドロール。結婚届が届けられた先は?
…何重にも思いが込められた作りになっており、映画ならではの様々な感情が入り混じった、複雑な感動を覚えました。素晴らしい映画だ!!
にしても、優しいリリー・フランキーさんはさすがに怪しいでしょ(笑) しかも白石和也監督の映画作品でなので、ね。
ダメ男たちに心を大きく揺さぶられた
作品を観ながら自分の人生や周りの環境を再確認させられた。生きるってことはなかなか難しいこともあるけど、しっかりと見渡してみればそこには、確かに救いがあるんだなぁということを感じた。
他の方も言っているように誰が殺したかっていうのは、そんなに大切ではなかったりする。主人公がどう再生していくかにスポットを当てている作品なので。
しかし、ある意味誰が殺したかや、何故殺したか、というのは自分や他の人の人格や心に当てはめれば、見え方も変わってくるのかなぁという気もする。
なんにせよ、まじめに生きなさいよ、という反面教師的な作品だった。
印象的な台詞
「津波のせいで全部ダメになったんじゃねぇ。津波のおかげで新しい海になったんだ」
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