「白石監督へ」凪待ち カルダモンさんの映画レビュー(感想・評価)
白石監督へ
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3.11最大の死者数3500人超の被害を記録した「石巻」。人生再生の舞台に分かりやすく適している「石巻」。ロケ地に選んで下さって有難うございました。
でもイチ宮城県民として辛かった点がありました。
1.「石巻」の描写がクズすぎて…(-.-;)
よそ者をいぶかしがり排除するとか、町中みな顔見知りとか、会話の内容が下品とか、やたらゴロツキが多いとか…ゲスい田舎町という描写でしたが…なんかドキュメンタリー風にも受け取れる映画なので、石巻ってあんなところだと認識されているのが辛かった(石巻の名前を使わなければ構わないのですが…)
2.福島原発の除染作業への蔑視
溜まったツケを支払うため「福島へ行かされる」。放射能防護服を着用しての除染作業は高収入だが命懸けの危険な作業、ヤクザにそれを強要される、同じ震災で共に辛い思いをしている「石巻」のヤクザが「福島除染」を蔑視し利用する…。3.11復興に尽力下さっている方からはちょっと出ない発想と言わざるを得ないのが辛かったです。
…再生をテーマにした映画の舞台に「石巻」を選んで下さったのは大変有難い事で、石巻の皆さんからはクレーム等出る由も無いと思います。でも、映画鑑賞後に読んだインタビュー記事で監督が「震災を正面から描くものではない」と話したのを読み、いくら正面からじゃないからって震災を軽く扱って(利用して)良いわけじゃないですよと監督にモヤモヤしたので、こちらに書かせて頂きましたm(__)m 。
とはいえ人生再生と家族の愛というテーマ、俳優さん達の芝居は引き込まれるものがあり、映画自体はとても良かったです。映画を観た沢山の方々が「石巻」に来て下さいますように。
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