「最後は穏やかな気持ちに」凪待ち ちゃこたんさんの映画レビュー(感想・評価)
最後は穏やかな気持ちに
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白石監督の今までのイメージとは違う、心に沁みるヒューマンドラマ。
慎吾くん演じる主人公郁男。
最初はそのダメダメぶりに「ホンマ、ろくでもないなぁ」と思ったけど、根は真面目で正義感もあるし、優しいし愛もあるし、恋人へのちょっと甘えた声とか母性本能くすぐられるし、
ダメな奴だけど見捨てられない亜弓の気持ち、彼に懐いている美波の気持ちが解る。
これは、慎吾くんが演じることで郁男のキャラクターが色付けされてるところが大きいと思う。
「人の優しさが痛い」
慎吾くんがインタビューで語っていたこと、すごく解る。
周りの人たちが手を差し伸べてくれる優しさ、郁男は自分の弱さ愚かさにどうしようもないやり切れなさを感じてるから
人の優しさが痛くて逃げちゃう。その感情、表情にすごく出てた。観てて苦しくなった。
とにかく、勝美さんがいい!
この作品に深みを持たせてくれているのは父親の勝美役の吉澤健さん。
はっきりと描かれていないけど、彼の人生にすごく惹かれる。前科って、組長の命を助けたって、過去が気になる!
そして、気難しそうな勝美さんが愛情深くて泣ける。
慎吾くんのイメージを壊して、闇の部分を引き出した白石監督の手腕と脇を固める俳優陣がすごい。
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