劇場公開日 2019年6月28日

「慟哭」凪待ち コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0慟哭

2019年7月2日
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鑑賞方法:映画館

いい映画だった。
依存症はこわい、ってことがひしひしと伝わってくる。
それに、「心の傷」が重要なテーマ。
震災による喪失や、いじめ、田舎の排他性や偏見、大切な恋人が殺人事件の被害者になるなどの重い事柄が幾重にも積み重なって、深みを作っている。

香取慎吾の演じる主人公は、悲しみや苦しみから逃れるために、怒りで犯人探しに挑むのではなく、アルコールとギャンブルへの依存症が加速していくロクデナシであり、自覚しながら抜け出せず慟哭するその姿に妙にリアリティがあった。

怪我の表現以外はノーメイク、無精ひげという慎吾の顔が実にロクデナシにピッタリで、ジャニーズ時代では絶対にできなかった、役者としてのすごい引き出しを開けたと思う。

余談だが、リリー・フランキーの狂気に満ちた演技に、日本映画に欠かせない人になったなとしみじみしつつ、ピエール瀧の二の舞にならないようにしてねと、変な不安に駆られました。

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コージィ日本犬