「ギャンブルは借金までしてやるもんじゃない!」凪待ち kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ギャンブルは借金までしてやるもんじゃない!
ノミ屋ってまだあるんだ!とビックリする展開。それも復興もまだ中途の石巻でだ。ネット環境があれば、競馬も競輪も投票はPCで出来るのに、暴力団がらみしかないノミ屋というのも昭和を感じてしまう。たしか、ノミ行為も「麻雀放浪記」の原作にあったかと思うが、そこからヒントを得たのだろうか・・・しかし、この作品は東北の震災をもサブテーマとしてるので、やはり現代の話なんだと思い、のめり込んでしまいます。もしかしたらカジノ法案に反対するテーマも隠されてるのかもしれません。
俳優香取慎吾は元SMAPの中では一番演技がまずいと思い込んでいたのですが、一皮も二皮も剥けた気がします。正直に言うと、どうしても『西遊記』とか『忍者ハットリくん』の子供向けイメージしか残っていなかったのです。
石巻に引っ越してからも、ノミ屋で競輪に手を出し、最初は静かに遊んでいただけなのに、徐々に深みにハマってしまう。亜弓が殺されてからも、自分の居場所をはっきり決められないまま、暴力団から借金したり、小野寺から金を貰ったり、亜弓のヘソクリに手を出したり、挙句の果ては亜弓の父勝美が船を売ってまでして作った金をもノミ屋につぎ込んでしまう。どうしようもないギャンブル依存症のクズ男。世間の同情ももはや消えかかってしまった、そんなとき。勝美と自分の子のように可愛がってた美波の愛に再度助けられる。血の繋がりはないけど、一緒に暮らしたことのある家族。『万引き家族』にも繋がる重要なテーマだ。
もう勝美さん(吉澤健)には泣かされっぱなし!最初はつっけんどんでイヤーなタイプの頑固親父の雰囲気がプンプンしていたのに、ここまで愛が溢れていたとは。娘の美波もすごく良かった。勝美さんが船に“第二美波丸”と名付けていたように、むちゃくちゃ可愛がられてたんだろうなぁ。そして、ゲームでの繋がりも見せていたクズ男と美波。FFじゃなくてモンハンだったけど。
久しぶりに胸が熱くなった作品ではありましたが、個人的には終盤の展開は要らないと感じました。「負けた奴は裸になれ!」というのが麻雀放浪記。すべて無くして裸になって、静かに去っていくのがベストだと思うし、麿赤兒親分と勝美さんの関係も出来すぎ!おまけに暴力団が最後に金を持ってくるのもいただけない。
だけど、婚姻届けのシーンでまたもらい泣き。エンドロールの海底に沈んでいる津波被害にあった家財道具、特にピアノでまた泣き、ストーリーと演出のダイナミクスを感じました。どこで泣くかは人それぞれ・・・それこそ“泣き待ち”だ。
確かにエンドロールの映像は衝撃的でした。迫りますね〜😞
しかしリリーフランキーの動機はなんだったんだろう。ボンヤリとは分かるのですがしっくり来ませんでした
そう言われてみると、元SMAPの5人の映画をこれまであまり見てこなかったせいか、今回はとても新鮮な気持ちで観れました。
メンズデーあるのいいですね。価格改定でますます映画館離れが進みそうですので、レイトショーとかメンズデーがある映画館が神プレイスに思えます。
あーーー!!神共!!いいなぁ早く観たいです😭😭😭