「「喪失と再生」を見事に表現できた作品」凪待ち うさうささんの映画レビュー(感想・評価)
「喪失と再生」を見事に表現できた作品
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白石監督はこの映画のテーマを「震災」を絡めた「喪失と再生」だと言っていたが、納得のいく映画が出来たのではないか。一緒に見た友人は「自分ひとりでも立ち直れる」と言ったけど、人はそんなに強い生き物ではないから、「人生に目標がある人」意外は「守るべき人、守ってくれる人」がいないと生きる為の情熱を見出し辛い。人生の歯車が回りかけた時に突然「一番大事な人」を失うと尚更だ。
話にリアリティーをもたらしたのは、白石監督の容赦ない演出とそれを演りきった香取慎吾の演技力だ。香取さん程の役者になると、あそこまでさせる事は普通はできないだろう。それを的を得た演技で「堕ちる男」を演じる事で見る者を引き込んでいく。堕ちても尚、純粋さを失わない「郁男」があるきっかけを見出すのだが、それは劇場で確認していただきたい。「再生」の方法は人それぞれだと思うが、「居場所」を作ってあげる事、それが大事なのだとこの映画は訴えているように思う。
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