「主人公の変化についていけず」かごの中の瞳 REXさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公の変化についていけず
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視力を取り戻したら、部屋も夫も好みじゃなかった。ついでに浮気もしちゃいました、という主人公ジーナに何の感情移入もできず。
確かに夫ジェームスは、クラブで困ってる妻を放置して観察したり、美人の彼女が周囲にどう扱われるかを心配し、かごの中の鳥のように扱ってはいた。
それにしたって視力を戻す手術も受けさせ、生活の支えになっていた夫への拒否感がものすごく、今まで出会ってから何を積み上げてきたのか?と二人の関係が薄っぺらく感じてしまうのである。
元々ジーナに備わっていた好奇心が爆発し、派手好みが露呈していき、性的にも激しくなっていき、元々真面目なジェームスはついていけなくなり、目の見えなかった頃の妻に戻って欲しいと思うようになる。
ターニングポイントは目隠しプレイに夫が耐えられなかったところだろうか。ジーナは自分が今まで置かれていた状況を味わってもらいたかったのに、ジェームスはそれを拒否し、騎乗位を楽しむジーナの変貌ぶりに恐れすら抱き始める。
もう一度視力を奪おうとしたジェームスの行為は許されるものではないが、ジーナの浮気も許されるものではない。
ましてや子供を願っているのに無精子症と告げられた男に、妊娠を告げる仕打ちは絶望ものでは。
騙しあいが露呈するクライマックスは程々の緊張感はあったが、殺人に発展するようなスリラーを思わせぶりつつつも、何も起こらず肩透かし。
一番可哀想なのは「いけてない夫」役にオファーされたジェーソン・クラークか。
弱視の世界を演出した映像だけはかう。
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