「夫婦のボタンの掛け違い。」かごの中の瞳 バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
夫婦のボタンの掛け違い。
可笑しかった。人の愚かさをとてつもなくお洒落な映像で描いていて、人によってまったく見え方が異なると思うのだが、自分にとっては100%ブラックコメディだった。
妻が視力を取り戻すことでエロに積極的になり、マジメ人間の夫はドン引きしつつも嫉妬の感情を刺激されてしまう。夫婦間の食い違いが悪い方へ悪い方へ転がっていくのだが、決して突拍子のない話ではない。
誰だって理想と現実に折り合いをつけて暮らしているのだが、この夫婦に限っては、視力回復という嬉しいはずの事態が、夫婦のバランスを狂わせてしまったのだ。
どれだけ事態が悪くなっても、映像がスタイリッシュなのでなんとなく悲壮感さを感じない。バカだなあと愚かしさを愛でてしまうのは監督の意図にあったか、なかったか? いずれにせよ「こんなの観たのとないわ!」という新鮮さは最後まで失われなかった。
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