「目がムズムズする」かごの中の瞳 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
目がムズムズする
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映像が非常に美しい。洗練された建物も街並みも自然もどれも綺麗に写っていて、自分の目が見えることに感謝したくなる。
モヤのかかったジーナ目線の主観映像がたびたび挟まれ、見えないときの不安と見えたときの喜びが染みてくる。
目が見えなかったことで内に秘められていたジーナの欲と奔放性が好き。
それに不安になり閉じ込めておきたくなる気持ちもわかるけど。
「ただ想像と違うだけ」なんて言われて微妙な気分にならない方が無理があるでしょう。
今まで隠されていた二人の性格や嗜好のズレが露わになり、徐々にすれ違っていく様子が胸にチクチク刺さってきた。
見えなかった頃に戻したかったジェームズは目薬を水か何かにすり替え、それを知ったジーナの選択には相当な覚悟を感じた。
最後はだいぶ分かりにくい描写で、自分の捉え方に自信がないけど。
見えないフリをしてでも夫と共にいる事を選んだということかな。
ジーナが手紙を読めたことを知ったジェームズは自分のしたことと彼女の思いに耐えきれず自殺?
ジェームズの身になってみるとコンサートで歌っていた歌詞がだいぶズッシリと感じる。
ジーナは生まれてくる子供がダニエルの子だということは知っていたのかな。
謎は残るけど、愛する人の変化や期待外れに直面したときの人間の心理をスタイリッシュに表現しているのが面白くてわりと好き。
どの立場でも私ならどうするだろうと考えてしまう。答えは出ないけれど。
ド変態なジーナの義兄には笑った。
バルセロナの覗き部屋凄いな、行ってみたい。
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