「兄弟愛と、サムズアップと」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン たけのこさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5兄弟愛と、サムズアップと

2021年1月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

DolbyCinema再開してたので、ついつい行ってしまいました6回目。
6度目ともなれば、ギルの女々しいヘタレぶりも多少は受け入れられました。
何度も観て今更泣きはしませんが、映像と細やかな演出との秀麗さにただただ浸るばかり。

崖の上での兄弟再会。ディー兄の「行けよ」と、すれ違うときのモノ言いたげな瞳。
あれはやはり、兄から弟への
 「生きて、自由になりなさい」「心から、愛している」
なんでしょうかね。大佐殿の不器用さ、いいですね。お前こそ素直になれよと。

それとデイジーへの郵便局長? のサムズアップ
今更泣かないと言いつつ,あそこではグッと。

ヴァイオレットは子供達にどんな表情であれを教えたのか?
ユリスの前でのように無表情なままか それとも優しい笑顔?
島に移って変化はあったのか?
サムズアップで心が動いたのはT2以来です。

なお郵便局長? が、かつてヴァイからギルへの手紙を託された子供(注1)だといいなと思い何度も観ますが、髪の色も違うし、別人なんでしょうね 残念。

あとは海での再会シーン。何度観ても。
初見では、何ダラダラやってんの?と興醒めでしたが、いやいや違う。
少佐が自分との再会を拒んでいると理解し,静かに去ろうとするヴァイオレット
それでも船上から、少しずつ遠ざかる島をただただ見つめるヴァイオレット
あの彼女の内に、これだけの感情が秘められていたかと
いい歳して少女の感情に同調してしまうのは自分でもどんなもんかいと思いますが
あの演出には、心が揺さぶられます。

設定その他に色々疑問異論がありつつも、何度も観てしまい毎回毎回心を揺さぶられる。
初見だけでは、自分の心にこんなに響くと思わなかった。名作。

(注1)正確に言えば、必ず届けるとか何とか言いながら。強風ぴゅーぴゅー吹き荒れる中、箱の上に無造作にポンと大切な手紙を置いた、将来性豊かな子供

たけのこ