「ヴァイオレットちゃん」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
ヴァイオレットちゃん
このシリーズの1番の好みは衣装だったりする。背筋がスッと伸びたヴァイオレットを纏うスッキリと上半身からスカートは背後にひだがでヴォリュームをつける。美しいバランス。映画館で特に印象的だったのは藍の色合い。冒頭のアンの家の壁紙やヴァイオレットの上着。美しい画力の高さと世界観の作り方が素晴らしい。どきっとさせられる死相表現はテレビアニメシリーズでもあったが、生死に関わる表現はリアルにこちらの琴線をついてくる。劇場版だからなのか、引きの絵も結構心に残る。島で慟哭するヴァイオレット。
相変わらず涙腺を刺激してくる。テレビ版含めてドップリと優しさと誠実な世界に漬かることができる。心を洗う時間。
この劇場版について言うと、その結末が目的になるが、この物語にその結末は必要であったのかという疑問は残る。感情のなかったヴァイオレットが人としての成長、過去の傷に向き合い、自我を高め、自分の目的を自ら見つける姿がこのシリーズの肝であったので、そうでない結末を見たかった気がする。他方、焦点があたるブーゲンビリア兄弟の心象は消化不足感が残った。
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