「自動手記人形が活躍した時代と現代を繋ぐ感涙必至の傑作」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン かわちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
自動手記人形が活躍した時代と現代を繋ぐ感涙必至の傑作
原作、アニメシリーズは拝見していないが、それでもすすり泣きしてしまうほど心がグッと捕まれる、濃密な140分だった。
自動手記人形のヴァイオレット・エヴァーガーデンが、人の心を代筆しながら繋がりを知り、成長していく。シリーズの延長なので、ある程度の心は持っている。この映画は、そんな彼女の最後のピースである「忘れられない過去」を埋める過程が描かれている。現代にストーリーテラーがいることで、自動手記が活躍している一方で、斜陽する時代を映し出すことも面白い。手紙で繋がれた「ありがとう」の言葉が胸を突き刺し、心を暖める。死と生、心と心、言葉と言葉…結び付いたときに広がる世界に、涙が止まらなかった。
京アニの事件から1年…この作品に携わった方の中には、事件で亡くなった人もいるという。最後の手紙として、勝手ではあるが、美しい世界とストーリーに魅了され、愛すことが何よりの感謝になると信じ、今年ベスト級の映画であることをここで宣言したい。
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