「この素晴らしい制作スタッフに賞賛を」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0この素晴らしい制作スタッフに賞賛を

2020年9月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

京都アニメーションの代表作と言える当作品は、TV版・OVA外伝と続きそして最終版として今回の上映となりました。昨年の凄惨なテロ事件に次ぎ新型コロナの影響でココまで上映が先送りになり、ようやく満を持しての公開となりました。
日本最高峰の制作会社のひとつ京アニ、今作も高い技術力を遺憾なく発揮したとても美しいビジュアルと動画、そして何より感動の名作に仕上げたハイレベルな制作能力には恐れ入るばかりです。

作品の出来として今更一つひとつを申し上げる必要はありません。『外伝』同様本作もほぼほぼ完璧な仕上がりです。敢えて思った事は、死に対する涙よりも『手紙』にまつわる部分で感動を盛り上げる方向に今一歩重点をずらした方がヨサゲなのと、デイジーがヴァイオレットを知り興味を持つ辺りの思いみたいな部分を、ここでもうチョイ盛り上げた方が良いかなと考えた程度です。

作品と全く関係ない話ではありますが、コレ程の壮大なコンテンツがたった1千万円程度の資本金の中小企業が創り上げている事、そして関わるスタッフ・アニメーターは延べ百数十人?程度でしょうか。それもその筋では相当な技量の職人が集結している事でしょう。
この様な究極の作品に魅せられる度に、こう言った世界一の技術や創造力が〝アニメでは食えない〟とかショーもない事で失われるのではないか、後人が育たないのではないかと、毎度毎度心配してしまうのです。或いは中国や米国にコンテンツごとゴッソリ持っていかれるのではないかと‥‥

コレ程の文化芸術を世に配する彼らや企業が、日本社会やとりわけ政治に於いては今ひとつ大事にされていない事がサッコン懸念されています。今まさに新型コロナで町工場など弱小企業が窮地にあり、高い工業技術が失われようとしている中、政府が何もしていない訳ではありませんが、今更ではなく日頃からもっとシッカリ支えて行かなければならないと常日頃思っています。

アニヲタだけでどうにか出来る話ではありません。自分もその一人として円盤やグッズ購入などで独りで盛り上げようとしておりますがたかが知れてます。ですが今後もこの様な素晴らしいハイエンドな創造作品をもっと沢山観続けていきたいのです。
そのためにも世界に誇る日本の文化芸術や創造技術の保護と興行の発展に期待してやみません。

レビューでも何でもないイチ個人の愚痴になってしまいましたスミマセン...(^∧^,;)ゞ

Geso_de_Nyoro