ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのレビュー・感想・評価
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激動の60年代アメリカ
映像★★★★☆ワイドなスクリーンをやっぱり活かしてる、飽きない
音楽★★★★☆文脈までは調べないけどレトロでノリが良い、ラジオ、エンドロール後も良かった
内容★★★★☆1969年という時代とハリウッド
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タランティーノ新作です。
舞台は1969年ハリウッド。
内容は、変化の時代そのもの。
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・アメリカ西部劇の衰退-
カラーテレビの普及、マカロニウェスタンの黄金期
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・ヒッピー文化-
保守的なキリスト教文明へのカウンター、男女平等、性の解放、反戦、反体制、多様な価値の尊重(ダイバーシティ)
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・シャロンテート事件
狂信的カルト指導者チャールズマンソンの信者による無差別殺人事件
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カラーテレビの普及、ベトナム戦争、公民権運動、ジョンとヨーコ、ブルースリーも60年代って、めちゃくちゃ激動。こういう時代の文脈を踏まえて観てみると、物語に厚みがあるね。
アメリカ開拓時代の終わり、アメリカ西部劇の終わりからカラーテレビへの移り変わり、アフリカ系アメリカ人公民権運動からの多様性。
一つの時代が終わり新しい世界に移り変わる。そんな中で生まれたカルト集団、そして無差別殺人。
映画は最後にタランティーノ流"ヴァイオレンスお仕置き"が繰り広げられますww
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イギリスEU離脱、日韓、米中、うーむ時代は動き出して何処へ向かうというのだろうか。国が終わって企業中心の世界、もうSFじゃないな。
茶化し嘲りバカにして楽しむタランティーノ監督
タランティーノ監督の、ブルース・リーやポランスキー監督、シャロン・テート夫妻を茶化し、観客を嘲りバカにしているところが、自身の映画がカンフーであり映画監督だから可笑しい。自分をあざ笑って面白がっている。
売れなくなった俳優がスタントマンを雇って連れ歩くバカらしさ。セリフを間違い、くだらない役しか来ない情けなさに相棒の肩に泣き崩れたりするアホらしさが満杯だから、暴力映画というよりコメディーだ。
スタントマン氏も俳優にヒルのように食いついて離れず、ひたすら本性を隠し続け、陰で独身を謳歌しているが、次第に本性を現してくる所が見せ場だ。
ここに出て来るヒッピーは、本来反戦集団であり悪人ではないことを申し添えたい。
もしかしたら本作は蒲田行進曲のハリウッド版リメイクだったのかも知れません
昔、昔、ハリウッドという魔法の王国がありました
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こうして王子様とお姫様の命を狙う悪い魔法使いは騎士と従者の活躍で退治されて魔法の王国には平和が訪れました
そして、みんな幸せに末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたし、めでたし
ラストシーンにエンドマークの代わりにでる、ワンス・アポン・ア・タイムのタイトルはつまりこういう物語なんですと説明しています
だから子役の少女が読んでいる本はウォルト・ディズニーの伝記なんです
だからポランスキー監督は貴族風の衣装を着てシャロン・テートとクラシックカーに乗っているのです
だから正義の騎士は従者を連れているのです
そして修行の為に遠い遠い国に冒険の旅にでて魔法の王国に帰ってくるのです
1969年当時を知る人は70歳近くなっている団塊の世代のお爺さんお婆さんぐらいでしょう
ですが私達はその当時のハリウッドの街を映画やテレビの中の背景をとしてとても良く見知っています
何故なら私達は絵本に描かれた絵で魔法の王国の様子を知っています
石畳の街路、鍛冶屋、お城の門
ほら、ディテールまで目に浮かぶでしょう?
同じことなのです
だから驚嘆できるのです
本作の中のハリウッドはその当時のハリウッドの街並みそのものだと
その当時はまだ産まれてもいなかったり、物心つかない子供であったのにこうだと知っているのです
そしてずっと鳴り続けるラジオのアナウンサーの声の調子抑揚の付け方
そんな昔のアメリカのラジオなんか聴いたこと無いのに何故か知っているのです
これだ!昔のラジオはこうなんだと
音響が実は凄まじく凝っています
当時のヒット曲をまるで本当に当時のオーディオセットで聴いているかのような音で鳴らして見せます
何気ない周囲の音をサラウンドを駆使してリアルに様々な位置で、後方や上方にも定位させます
それは映像がハリウッドの街並みを車で流すのシーンが長いのと同じです
私達観客をその当時のハリウッドに連れて行こうと懸命な努力をしているのです
建物、看板、ネオンを逃げずに出来るだけ多く見せようとしています
そしてどれも自然でCGだとか合成だとかのチープな印象はこれっぽっちもない見事な特撮なのです
クレジットを見るとなんとジョン・ダイクストラ!
特撮界では神様、黒澤明なみの巨匠を起用しているのです
つまりそれほど監督は特撮と音響に力をいれて、当時のハリウッドという魔法の王国の再現に力を注いでいるのです
何故?
だってナルニア王国物語なら、その世界の構築が最重要なのと同じことなのですから
ジャンボジェット、ボーイング747が登場します
それがインディジョーンズのダグラスDC-3機が担っていた昔の飛行機というアイコンとして使われているのです
螺旋階段で二階席に登るなんてシーンが古さを表現する時代になったのですね
そう今はもう21世紀の超未来なのです
新宿三丁目にそっくりさんの出演するショーパブが有ります
テレビのスターの物真似番組にでてくる人達が出演するお店です
久々にそのお店に行って来たような気分もあります
前半の数々の映画やテレビへのオマージュ、マックイーンやブルース・リー役の仕草や話し方の物真似ぶりなどは、可笑しくて、可笑しくてニヤニヤしどうしどころか吹き出しそうになります
大脱走のマックイーン登場シーンの合成シーンも吹き出しそうでした
中盤のマンソンファミリーの牧場シーンは重要ながら冗長すぎでもう一工夫は欲しかったとは思ってしまいますが、一体世界中の誰がこのような傑作を撮れるというのでしょうか
やはり異能、奇才、タランティーノ監督です
素晴らしい作品でした
エンドクレジットに流れる当時のタバコのCMのオマージュ
あれは現代ではあり得ないものです
現代ではタバコの広告なぞ最早あり得ない世の中になっています
つまりタバコと同じように過激なエログロや、使ってはいけない言葉、政治的に正しいのかと配役や脚本に介入され規制を受けている現代のハリウッドの製作現場の実状への皮肉です
つまりこのままでは魔法の王国を守っていた魔法が解けてしうかも知れないと監督は警鐘を鳴らしているのだと思います
ローズマリーの赤ちゃんとテスの2本を予習にご覧になられているとより楽しめるとおもいます
いや、それよりも深作欣二監督の蒲田行進曲を観ておくべきでしょう
もしかしたら本作は蒲田行進曲のハリウッド版リメイクだったのかも知れません
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まずネットニュースでこの映画のことを知り
シャロンテート自宅襲撃事件にまつわる話を
タランティーノが映画化すると、で興味を持ち、映画公開前に予告をみてさらに期待が膨らむが、映画本編は予告の内容を下回った(笑)
部分的に切り取って見たら面白そうにみえた
タランティーノ節はあったと思う。
その点はタランティーノ映画観てきた自分にとっては良かった点です。
タランティーノ映画は会話劇のような側面がある。劇中シャロンティート自宅襲撃直前、車のなかで交わされる会話なんかはお気に入りのシーンだ。
この映画はシャロンテート事件が絡むような絡まないような話である。どっちらかというとオマケのような扱い(笑)じゃあ話の本筋はというと、それは無かったような印象を受けた。
結論をいうとタランティーノ監督好きなら見れる(笑)それ以外の人には敷居が高い…
予習なしでも楽しめましたけど?
とても居心地よく観れた秀作、ディカプリオとピットにそれぞれ見せ場が...
いいんじゃないかな
中高年向けか?
タランティーノ映画、私も無理だった~~(笑) とにかくただ長くてダラダラと昔の古き良き?ハリウッドの街並みとレオ様・ブラピ様の生活の様子が描かれているだけ。あとは暴力シーンと、さも「ハイ、ここで笑って」みたいなわざとらしいコメディのシーン。
子役の可愛い女の子とのやりとりだけは素直に笑えましたが、他はちょっとあまりにベタ過ぎて、、隣席の中高年夫婦らしき客の妻の方が上映中終始ポップコーン食べ&飲み物飲み続けつつ、ずっ~~と"ハハー"だの "フフンー"だのいちいち声に出して笑っていたのが異様でした。50代半ば以降の年代の人にはウケるのだろうか?後ろの席の女はやたら椅子蹴るし、タランティーノ映画好きはこういう客層なんですかねぇ?
☆2つはレオ様・ブラピ様の演技力に。
ストーリーは結局何が言いたいのか全く分からず、、自分に刺さったのは、シャロンテートの「トマスハーディーのテスの初版本を、夫にプレゼントするの」のセリフだけでした。かなりブルースリーを茶化してましたが、本作より"燃えよドラコン"の方がよほど面白い映画ですけどね。
そういえばトイレなのか途中で帰ったのか確認できませんでしたが、上映中にやたら席を立つ人が目立ちました。通常の映画の5倍~10倍?こんなに席を立つ人が多い映画初めてかも。
追記:
タランティーノ映画はレビューの評価を真に受けてはいけないこと、映画通の称号が欲しい男性が世の中にこれだけ大勢いることを初めて知りました。
サクラかと疑いたくなるほど競いあうように絶賛しているレビューが次々投稿されていて驚愕してます。"共感した"を互いに押し合っておられるのでしょうか。
シャロンテートに愛を込めて
私にとって8月9日はずっと消えないトラウマだった。
彼女の事件は数々の名作ホラーを生み出した。
この映画の最後にも、きっと身ごもったシャロンがマンソンファミリーにビートルズの歌を歌いながら腹を刺されるのだろうと予想していて、少し行くのは戸惑った。
だがタランティーノは裏切った。
シャロンが映像の中に生き返っているではないか!?
音楽を聴き、パーティーで遊び、夫のために本を買って自分の映画を足を組みながら見ている。
タランティーノは決して彼女を悲劇のヒロインとして書くのではなく、1人の女性として彼女を映像の中に生き返らせてくれた。
彼女と彼女のお腹の子は無くなってしまったことは本当に悲しく、世界の流れも変えた。
しかしながら、事件の悲惨さだけを切り取った映画から抜け出し、彼の映画の中で、自分が生きていたまんまの世界でこれからも生き続けられる事は、彼女や彼女の遺族、友達にとって最高の幸せではないだろうか。
タランティーノは映画ファンたちのトラウマを消してくれた。
この映画はまるで「この世界の片隅に」のように優しく、敬意のこもった映画である。
やっぱりタランティーノだった。
私にはタランティーノ監督作はわからないんだろうなって改めて感じた。
確かに友情物語かもしれない。昔のハリウッドはこうだったのかもしれない。デカプリオの劇中演技は素晴らしく、二人のキャラクターの違いもたってたと思う。でも退屈だった。そして最後の最後にタランティーノ感がでて、ただただびっくり。
タランティーノ監督の映画初めて見ました
映画マナーについて!
あの時代を生きてみたかった!
予習して観たのは正解でした。
1969年のLAを再現
まずは何より1969年のLA、ハリウッドの見事な再現ぶりに感心する。車、カーラジオ、看板、行き交う人々の服装、セレブたちの屋敷やパーティー、そしてヒッピーたち。もちろん当時を実体験しているわけではないが、きっとこうだったんだろうな、というイメージどおりで納得。
劇中のテレビ映画のグレイドの高さにも、思わずにんまり。落ち目の俳優役のディカプリオが度々落ち込んで、涙ぐみ、暴れるところは、すごく良かった。ブラピとの熱い友情を感じさせるシーンがもっとあるのかと秘かに期待していたが、タランティーノが野暮なシーンを撮るはずはないよね。
ラストは一気に暴力映画、ゾンビ映画になったが、エンディングの穏やかさに拍子抜けを感じつつも、その頃のハリウッドとその象徴としてのシャロンテートへの敬意と愛着を表したものだと、見終わってから、わかった。
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