劇場公開日 2019年8月30日

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「タラ監督のシャロンテート愛」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド snake666さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0タラ監督のシャロンテート愛

2019年9月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

タランティーノのシャロンテートへの愛がたくさん詰まった映画だ。しかもその愛情表現をこんな形で見せてくるあたりがとにかくサプライズだった。
つまり一見サブストーリー的に描かれているシャロンテートの話こそがメインの話であり、あたかも主役的なディカプリオやブラピらのストーリーは実はサブなのである。
これは映画を最後まで観てなるほどなとわかるわけだが、ただそうしたものは大前提としてシャロンテートの生涯をウィキペディア等でもいいからザックリでも知っていないと全くわからない。
知らない人にはディカプリオとブラピが単にドタバタする映画という印象だけかもしれない。
とにかくこうした少し軸をずらして物語を進行させていったタランティーノの手腕にはさすがとしか言いようがない。
ただ残念でならないのがブルースリーの描かれ方である。彼のファンとしてはこんなブルースリーは見たくないなという印象だった。
しかし、90年代を代表するディカプリオとブラピの2大スター俳優が、これまでのキャリアでつちかってきた演技力と存在感で最高のパフォーマンスを見せてくれているあたりには敬意を表さずにはいられない。特にブラピのカッコよさは桁外れだった。
引退を示唆しているタランティーノだが、またしてもハリウッドに偉大なる財産を残してくれた。

snake666