「今観れる最高のタランティーノ映画」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ローラさんの映画レビュー(感想・評価)
今観れる最高のタランティーノ映画
過去の作品を、今発見して鑑賞して感動するのも良い体験だけれど、今この映画を良いと感じられるタイミングで劇場で観られたとゆう映画体験に幸せでいっぱいでした。
69年のハリウッドのうねるように渦巻くパワーを感じつつ、不穏な事件に突き進んでいく物語の中をふわふわと散歩してるような感覚。
終始じれったく感じる物語の進行はクライマックスとの美しい対比を持っているし、古い映画のなんかかっこいいけどやたら、テンポが悪い感じ、だからなんなんだよっ!っとつっこみたくなるあの雰囲気の再現なのかなとも解釈できた
。
それを映画としてクオリティをグッとあげてくれるディカプリオとブラピの演技の素晴らしさたるや。ただ全てがかっこよくタフで不遜で曰く付きのかっこよさをもつブラピと、繊細すぎるリックの見栄と不安の間でぐらつく姿をコミカルに愛らしさすら感じる演技を見せるディカプリオ。まず冒頭のカウンターで飲み物を飲む飲み方から、もう笑っちゃうし、あえてクサイオーバーめな演技をするディカプリオもレアで面白い、賞金稼ぎの掟のいちいちキメ顔するとこも良い。ずっとツボに入っててお腹が痛かった…人生最高の演技をみせるときの本気のディカプリオ演技なんて、それまでのグダグダなんだったんだよってなる迫力さ。ほんとに最高だった!リックのキャラは面白さは、スターダムに登りつめられなかったけどかつて実際にハリウッドで輝いていてなおかつ映画のフィルムの中で生き続けている俳優達の悲哀と情熱の塊でタランティーノの映画俳優への愛が詰まったキャラクターなんだろうなと思って愛おしいさと笑いがこみ上げるなんとも魅力的な存在だ。
そして、ただただ可憐にかわいく優しく描かれてたシャロンテート。タランティーノの映画らしくないまっとうに可愛く未来にキラキラした描かれ方にこそ、この映画の本当の意味があるんだろう。この映画の中が真実だったら良いのにと願ってしまう。
そして、待望のクライマックス。
まず、クリフが家に帰ってきてくれたことで生まれる「おーよしよし、これで大丈夫だ。」みたいな安心感。
そして、リック亭に普通に突入してくるマンソンファミリー。「こっちに普通に入ってきたー笑」ってゆう心の声とともに、期待どおりのバイオレンスを発揮してくれるこの展開はやっぱりタランティーノ映画!!!!
そして、デスプルーフのときとかも思ったけど80年代とか60年代とかその時代の映画背景を踏んで撮られたタランティーノ作品はものすごいクオリティでその時代の空気感を体験させてくれて、その時代に生きていなくともなんだかノスタルジーに浸れる作りで、そして後半または、クライマックスシーンですごく現代の感覚に引き戻される。そこが面白くってすごくエンターテイメントに感じる。最高でした!!!