「結末を知らないで観る方が良い」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド Keikoさんの映画レビュー(感想・評価)
結末を知らないで観る方が良い
タランティーノ映画をあまり知らない人が観ても楽しめるかと言われたら、もちろん、それは無理。ある程度、彼の作品を観ていて、彼特有のダラダラ感が受け入れられる人じゃないとやはり観ていて途中、退屈になってしまうのではないかと思う。
それこそがタランティーノの映画じゃないか!と言う人には、今度はちょっと物足りないかもしれない。今回は結構、会話よりも映像で説明をしてくれている。突然、回想というか説明シーンに突入していてびっくりしたところ2か所ぐらい。
しかしなんといってもふたつのテーマ、「リックとクリフの物語」と「シャロン・テート事件」における後者の扱い方には本当に驚いた。
タランティーノ、優しすぎるだろ。惚れてまうやろ。
最後のリックを迎い入れるシャロン達を俯瞰する映像には涙が出そうになった。
これはファンタジー映画だったんだ。
もしかしたら甘い温い遺族の気持ちを考えろなどなどの意見が出るのかもしれない。
だけどおそらく、多くの観客は実際にシャロン達がどうなったのか知っている。
カウントダウンにドキドキさせられていたと思う。
そこでハイになったクリフ(ブラピはイカれた役が似合う)とクリフに忠実なブランディが一味をやっつけまくる。叩きつけまくる。ブランディ、噛みまくる。
(リックは未使用の火炎放射器を持ち帰ってたのか?)
ハリウッドのおとぎ話でした。めでたし、めでたし。
ディカプリオもブラピも良かったです。子役の女の子じゃないけど、このふたりは演じてるというよりもリックとクリフにしか思えなかったので、こういう書き方にちょっと違和感。
ジョージ役にはバート・レイノルズが決まっていたそうで、観たかった。とても残念。
★5点はつけすぎかもしれないと自分でも思うけれど、10作目で引退なんてやめてね、という応援分含む、です。