「塩田明彦感。」さよならくちびる ちゃーるすとんさんの映画レビュー(感想・評価)
塩田明彦感。
そこまで期待していなかったのですが、塩田明彦と聞いて見に行きました。正解でした。
言ってしまえば、ありがちな青春音楽ロードムービーではあるが、みんないろいろと抱えて生きている。正直に言葉にすることで物事が良い方向に進んでいくんだということを改めて感じさせられた映画だった。
喫煙シーンや、後部座席でシートベルトをしない、など、時代に流されない感じがリアルでいいじゃない。車のシーンは背景が気にはなったけど、それを含めてもリアルを感じることができた。
予告を見ただけでは単なる同性愛の映画だと思っていたがそれは一つのスパイスでしかなかった。
3人がそれぞれ複雑な思いと芯をもって生きていて、それを旅を通して共有していく。
だた、ストーリーは一貫して緩やかに流れるので、自分がどのタイミングで共感できたかわからないが、最後には涙を誘う、塩田明彦パワーが隠れていた。
そして、なんといっても歌が素晴らしい。秦基博とあいみょんの作詞作曲だとしても、二人の歌唱力のすばらしさよ。。。
もっと曲を聴きたい。
途中、インタビューの女の子の歌唱力にも驚いたが、終盤、函館まで行って箱に入れていなかったのがかわいそうだった、、、が、同性愛を表現するうえで大切なシーンだったが、ちょっと多かった気もした。
2人のキスシーンとか、自販機の光が非常によく明暗を分けていていいシーンだったし、カレーライスのシーンも数少ない二人が向き合うシーンで感動的。
先述の通り、喫煙やシートベルトなど、時代を無視したようなシーンが多いのは引き付けられたが、成田凌が何歳設定だったのだろう。LPを出していた、と聞くと、年齢不詳だ。
実年齢と設定年齢がかけ離れているイメージを持ったが、あそこは普通にCDでよかったのでは?と思った。