「ラスト1分前まで☆5つ」さよならくちびる 森のエテコウさんの映画レビュー(感想・評価)
ラスト1分前まで☆5つ
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良かった。それほど良かった。
せつない風が心の中を吹き抜け、涙が流れた。
ラスト1分前までは。
バイト先でハルが声をかけたレオは、美人なのに伏せ目がち。
ハルもレオも人には言えない心の葛藤を抱えている。
そんな二人は、音楽を通じて少しづつ心を寄せ合いながら、インディーズの世界でデュオとして知名度を上げていく。
その二人のツアーを支えるシマも過去のバンド活動の葛藤を引きずっていた。
ハル→レオ→シマ→ハルという二人の女性と一人の男性の想いの行方が儚く移ろい胸が締め付けられる。
三人それぞれの葛藤ゆえに、ギクシャクし始めるユニットの活動。まるで、見えないジグソーパズルがいつまでも完成しないようなもどかしさ。
しかし、それが青春であり人間なのかもしれない。
挿入歌の歌詞の「傷つくこと、それが愛とわかる」というフレーズがせつなく心に響く。
冒頭の解散ムードの訳が次第に明らかになっていく展開。
解散ツアーの最終日に向けて、その噂が広がり動員は増えて、大きな箱に変更されての最終日。
そこに至るまでに、本心を探り続ける三人の出した答えは…
ラスト1分で明らかになるその答えは、あまりにあっけなく、もう少しその直前の描写があればと残念だが、三人の繊細な演技が胸を打つ、優しい作品である。
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