「韓国版「レインマン」」それだけが、僕の世界 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
韓国版「レインマン」
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知人から借りたDVDで鑑賞(吹替)。
イ・ビョンホンが、コミカルな面もある演技をしているのを初めて観た。とても上手い。少しやさぐれた元プロボクサー役を難なくモノにし、ボクシングの所作も素晴らしかった。
そんなイ・ビョンホン扮する主人公が17年間音信不通だった、自分を捨てた母親と再会するところから物語は始まる。
主人公には異父弟がいて、彼と弟の交流が時にコミカルに、時に切なさを持って紡がれるのが本作の肝となっていた。
「レインマン」は未見だが、同作にはサヴァン症候群の兄が登場するはず。本作では主人公の弟がサヴァン症候群である。
弟にはピアノの才があり、一度聴いた曲をそっくりそのまま再現して見事に弾いてしまう。演じるパク・ジョンミンは本作のためにみっちりとピアノのトレーニングを積んだそうで、その成果が存分に発揮された演奏シーンは圧巻の一言だ。
兄弟と母親の物語が涙を誘う。長らく途絶えていた主人公と母の交流。弟と過ごす日日の中で軟化する心と、母の病をきっかけに止まっていた想いの時間が動き出していく展開が感動的だった。母親と自分を苦しめた服役中の父親に向けた言葉は涙無しには聞けなかったし、病室のベッドでの主人公と母の会話や、弟と母の最期のやり取りなど、涙の途切れる瞬間が無いくらいに畳み掛けて来る脚本が、いい意味で本当にズルかった。
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