「すっきり短くほろ苦く」Bao うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
すっきり短くほろ苦く
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根本的に、キャラクターがみな可愛くない。アニメらしく、もっところころとした動きで表現できっと思うのだが、料理の見た目がとてもおいしそうでリアルなだけに、その一つである、中華饅頭に命がやどり、まるで赤ん坊のように嬉々として世話をする母親の姿は、ギリギリのところでちょっと不気味に見える。
その饅頭がいつの間にか反抗期を迎え、自慢の料理の腕を振るっても、一口も食べてくれない惨めさは、見ていてつらい。まるで、自分が母親につらく当たってしまったような気まずさだ。そこから不思議な展開になるのだが、現実の息子が登場し、親孝行をしてくれて一安心みたいな。
反抗期で、恋人と一緒に出ていってしまったあの饅頭はどこにいってしまったというのか。自分の生んだかわいい子供が、まるで饅頭のように丸々として可愛かったというような例えばなしなのか。
ファンタジーなのに、妙に現実じみていて、教訓めいたお話は地味で、惹きつけられない。今からディズニーピクサーのメインイベンターが登場するというのに、前座が雰囲気をぶち壊してどうする。
2018.8.6
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